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もはや1億円オーバーは当たり前! ランボルギーニ「カウンタックLP400」の「ペリスコピオ」はもっとも純粋たるガンディーニのデザイン

もはや1億円オーバーは当たり前! ランボルギーニ「カウンタックLP400」の「ペリスコピオ」はもっとも純粋たるガンディーニのデザイン

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

少し下落傾向を見せ始めた可能性も……?

ランボルギーニ各車両のヒストリーを統括する「インターナショナル・ランボルギーニ・レジストリ」によると、このほどRMサザビーズ「PARIS 2025」オークションに出品された、シャシーNo.1120142のランボルギーニ・カウンタックLP400ペリスコピオは、イタリア・ミラノの「アキッリ・モーターズ(Achilli Motors)」を介して、1975年11月6日にドイツにて最初のオーナーに新車として納車された。

「ロッソ(赤)」のボディカラーに「ネロ(黒)」のインテリアの組み合わせでファクトリー仕上げが施されたLP400は、その後フロリダ州フォートローダーデールに輸出される。そしてアメリカに到着したのち、結果として短期間の所有となった新オーナーは、スウェーデンへと売却する前に、ボディカラーをイエローに変更させた。

1989年5月にヨーテボリに到着したこの個体は、2005年にストックホルムへと移り住むまでの15年間、当時のオーナーのもとで大切に保管された。また、次の所有者のもとストックホルムで暮らしている間に、シルバー・メタリックのボディに「タバコ・ブラウン」革という、現在のカラースキームに変更されたことがわかっている。

エスティメートの範囲内で収まったものの……

そして現在、ストックホルム近郊の地方都市ウプサラで開業するクラシックカーのスペシャリスト「モティコン(Motikon)」社によって念入りなメンテナンスを施され、エレガントなコンフィギュレーションでまとめられたペリスコピオは、2024年4月にドイツ・エッセンで開催された「FIVAコンクール・デレガンス」に出展。1971年から1985年までの車両のクラスで2位に入賞している。

このランボルギーニ カウンタックLP400について、RMサザビーズ欧州本社は

「ペリスコピオは、マルチェロ・ガンディーニのオリジナル・ビジョンにもっとも近く、もっともピュアなモデル。ランボルギーニコレクションに加えるには最高の一台となるでしょう」

という宣伝文を添えつつ、75万ユーロ〜90万ユーロ(邦貨換算約1億2075万円〜約1億4490万円)という、現在のLP400としてはきわめて真っ当なエスティメート(推定落札価格)を設定した。

そして迎えた競売ではエスティメートの範囲内に収まる82万625ユーロ、現在の日本円に換算すれば約1億3300万円で、競売人のハンマーが鳴らされることになった。

とはいえ今回の落札価格は、ここ数年におけるペリスコピオの販売実績から比較すると、わずかながら安価であることも事実。たしかに、新車時のオリジナルカラーが変更されているという個体のウィークポイントもあるのは間違いないものの、2025年初頭の国際マーケットそのものが、やや鎮静化している可能性も否めない。

さらに、昨今話題の「トランプ関税」が発動してしまったのちには金融市場も混乱が予想され、それに応じて国際クラシックカー・マーケットも影響を免れないと予測されることから、2024年までの高値安定が今後も継続されるか否かについては、少なからず不透明になっていると見るべきなのかもしれないのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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