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3週間で4662キロ走破…韓国SUVのキア「スポーテージ」に「恋してた!」旅の終わりはミシシッピ川の源流へ【ミシシッピ川ブルース旅_23】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

  • ボブ・ディランゆかりの町、ヒビングからミシシッピ川の源流があるイタスカ湖へ。そして、ミネアポリスへと向かう
  • ゆるやかなミシシッピの流れ
  • 源流があるイタスカ州立公園に到着
  • 冬は雪が深いのだろう
  • 源流(HEADWATERS)へのトレイルヘッド
  • 源流に立つサイン。メキシコ湾(今はアメリカ湾?)まで2552マイル(約4100km)
  • 大河の流れも一滴から。ミシシッピ川の源流は静かな小川だった
  • ガソリンスタンドには冬に備えて薪が積んである
  • ミネソタのハイウェイ。北国の景色だ
  • センターラインを引く作業車に遭遇。このクルマ、右の白線も同時に引いていた
  • ミネアポリスへの途中で宿泊したモーテル
  • 旅の途中からガラスクリーナーは必需品になる
  • ブレードを掃除しようとするが、ワイパーがどうしても立たない
  • ミネアポリス空港近くのホテル。ステーキハウスがあることが決め手だった
  • 部屋はこんな感じ。仕事モードに戻った
  • 空港のハーツ・レンタカー・オフィス。お世話になりました
  • ニューオリンズ空港からミネアポリス空港まで、キムさんの走行距離は2897.5マイル(4662km)に達した
  • ミネアポリスの町。「GOLD MEDAL FLOUR」は小麦粉メーカー
  • 町の真ん中をミシシッピ川が流れる
  • 川沿いの遊歩道
  • ランチはおしゃれな創作料理とクラフトビール
  • 帰路はデルタ航空の羽田行き直行便。プレミアムセレクトで快適な空の旅を楽しんだ
  • 別れのときが近づいてきた
  • “キムさん”(キア スポーテージ)、ありがとう

ニューオリンズからミネアポリスまで北上する旅もついに終焉

2024年の8月末から、アメリカをミシシッピ川沿いに南北縦断して音楽の歴史をたどる旅に出ることにした筆者。ブルースの故郷である「ミシシッピ・デルタ」を仲間と4人で巡った後は、ひとり旅。ニューオリンズのハーツレンタカーで借りたキア「スポーテージ」を“キムさん”と名づけて相棒とし、各地を巡って北上してきました。ミネソタ州ヒビングでボブ・ディランの育った家を見学し、いよいよ旅の終わりは、ミシシッピ川の源流を訪れることにしました。

ミシシッピ川の源流、イタスカ州立公園へ

ミネソタ州ヒビングのAirbnbをチェックアウトし、“キムさん”ことキア「スポーテージ」の運転席に座った。空気はキンと冷たい。エンジンは、今日も快調に始動。朝の光の中、ぼくと“キムさん”は最後の目的地へ向かって出発した。目指すはミシシッピ川の源流だ。

アメリカの多くの川はロッキー山脈に源流を持つ。連なるロッキーの頂の西に降った雨は太平洋に流れ、東に降った雨は大西洋に注ぐ。この偉大な山の連なりは大分水嶺と呼ばれる。

しかし、ミシシッピ川は例外だ。この大河の源流はミネソタ州北部のイタスカ湖に発する。平野にある湖と、遙か4000km離れた河口の高度差はたったの450mしかない。したがって、この大河の流れは、とてもゆるやかなのだ。

ミネソタ州は「数千の湖の州」との異名を持つが、実際には1万2000も湖があるそうだ。その名のとおり、道路の左右には次々と湖が現れる。湖と川、そして森の中を走ること3時間、ぼくはイタスカ州立公園に到着した。

幅3メートルの小川から長さ4000キロ以上の大河となる

ビジターセンターに行くと、バックパックの装備をした人たちがいる。園内の地図を見ると、イタスカ湖以外にも大小の湖が点在していて、ハイキングトレイルも整備されている。つい寄り道をしたくなるが、残念ながらぼくには時間がない。

ミシシッピ川の源流がどこか尋ねると、最寄りの駐車場までクルマでほんの10分ですよ、と教えてくれた。係の人が地図につけたマーカーは、T字を反時計回りに90度傾けた形のイタスカ湖のちょうど一番上にあたる。さっそく“キムさん”とその地点に向かった。

ミシシッピ川の源流は幅3mほどの小川だった。記念撮影用に飛び石が置かれている。そして、サインによると「メキシコ湾まで2552マイル(4106km)」。大河の水も一滴から、とはよく言ったものだ。そして、ついに最終目的地に辿り着いた達成感がじわっと沸いてきた。

しばらく源流を眺めながら過ごしていると、どんよりした雲の間から弱い陽射しが漏れてきた。シャッターチャンスだ。フレームに人が入らない瞬間を狙ってシャッターを切った。「ミネソタ」が、ダコタ族の言葉で「曇り空のような水」という意味だと知ったのは、数日経ってからだった。

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