燃費の悪さもなんのその! 「モノを大切に」と乗り続ける
マツダ「ロードスター」乗りが集るカフェがあります。そこは愛媛県にある“みんなのコーヒー”です。駐車場を見渡すとロードスター以外にも魅力的なクルマが集結していました。今回はエコッスブルーを纏ったルノー「カングー」を紹介します。
かつてはヒストリックカーで楽しんでいた
岡山県で占い師として活動中の“サイドンさん”。週末には全国にあるパワースポット巡りの仕事も多く、そのツアー車両として活躍しているのがルノー「カングー」だ。取材日は、伊予国一宮大山祇神社への参拝を目的に瀬戸内海を渡り、以前より気になっていた愛媛県にある“みんなのコーヒー”へ足を伸ばした。
“サイドンさん”の車歴はジネッタ「G15」から始まり、モーガン「プラス8」、英国フォード「アングリア」、トライアンフ「スピットファイア」といったヒストリックカーを乗り継いできたクルマ好きだ。
さらには、30歳代から40歳代半ばまでは、片道10時間もかかるツインリンクもてぎや、筑波サーキットなどで行われているヒストリックカーレースにも参戦。相当の強者である。
そうした英国製スポーツカーの趣味を楽しみながらも、フォルクスワーゲン「ビートル」やシトロエン「2CV」も日常の足とするなど、ベーシックカーにも造詣が深い。
「ロングセラーのクルマは、どのクルマに乗っても、その国や時代背景が見えてくるので、そうしたことを考えると楽しいですね」
お客さんの要望に答えるためにカングーへ乗り換え
「実際に所有してハンドルを握り、経験してみてこそ、そのクルマの魅力が見えてくる」と話す“サイドンさん”。カングーは占いの仕事の延長からのクルマ選びだった。
「霊能はリピートしてくれる方も多いんです。そうしたときに自分の趣味の神社仏閣やパワースポット巡りの話をすると一緒に行きたいというお客さんが増えてきたんです」
当初はビートルでそうしたニーズに応えていたというが、万が一遠出した時に故障したら迷惑をかけてしまうことと安全性などを考えカングーへの乗り換えをした。
「しっかりと整備してもらっているのでビートルは故障したことはありませんでした。僕は慣れっこですが、今時エアコンなしのクルマって、それ何? というか普通に考えて理解してもらえませんよね?」
そして2CVに乗っていたころに感じていたフランス車のシートの心地良さ、後部座席への乗降のしやすさ、何より中古価格もこなれてきたことで、カングーを選んだという。
マイナートラブルはあったものの快調そのもの
「カングーは正解でしたね。長距離も疲れない乗り心地とシート、飾り気はありませんが実用的な室内空間ですし、何より積載力は魅力です。趣味のものを積んだまま買い物に行っても、置き場に困りません。燃費は5km/Lくらいしか走らないのですが、それを帳消しにしてくれる魅力があります」
ボンネットが閉まらなくなったり、ハザードスイッチを押したときに、全体が落ち込んだりしたこともあったが、それらはトラブルのうちには入らないと笑う。
「ドアミラーを畳むときに反対に折れ曲がったり、右にウインカーを出したときにライトが点いたりの怪奇現象も……思い返すと色々あるにはありますね」
そんな“サイドンさん”だが、じつは少し前に駐車場で当て逃げされたのだ。幸いダメージはドアだけで済んでいたため、同色の中古ドアを見つけ、それに交換している。
「そのときは燃費が良くなった高年式のカングーへの乗り換えも頭をよぎりましたが、まあ直せばいいかと……。このカングーは19万km走っているので、僕が手放したら廃車でしょ? 調子は良いしもったいないですよね」
燃費は気になるものの、愛車を大切に乗り続けたいというサイドンさんのカングーは、これからもさらにマイレージを重ねていくだろう。






















































