レースでの知見がプロクセス スポーツ2にどのように活かされている?
——市販モデルのプロクセス スポーツ2には、ニュルブルクリンクで培ったどのような知見や技術が活かされているのでしょうか?
開発スタート時には、ウェットでのパフォーマンスを向上することをひとつの目標として掲げていました。通常はゴムの開発に時間を要してしまうのですが、ニュルブルクリンクでの耐久レースを通じて培った技術、新しく発見した素材を使い、さらにレース活動という短い時間の中で素早く大幅にパフォーマンスを向上させることができました。
少しご説明しますと、ウェット性能の大幅な向上ということを実現するために重要となる素材や配合の選定は、コストや予算の制約がなく、また短いスパンで多様な素材を試すことができるモータースポーツとリンクさせたことで、優れた技術の開発を短期間に実現するために大いに役立ったというわけです。
ただ、発熱を高めると摩耗が早まったり、転がり抵抗が増えたりするため、経済性や快適性は損なわれてしまいます。レース用タイヤではないプロクセス スポーツ2ではそうした性能も存分に発揮するトータルバランスを高い次元で実現させることが重要で、素材開発やその選定には研究と吟味を重ねました。
——最後に、欧州でプロクセスを開発している意義を教えて下さい。
たとえばドイツの雑誌で行われるタイヤ性能テストは、その評価が非常に厳しいことで知られています。いい意味でも、悪い意味でも率直な評価をしてもらえます。ときには厳しい結果もありますが。このドイツの某雑誌では「特別推奨」や「推奨」から「推奨できない」までの5段階でタイヤを評価するのですが、「特別推奨」は数年に1度出るか出ないかというぐらいに厳しい。プロクセス スポーツ2は、この雑誌社のテストで上から2番目の「推奨」の評価を2023年に獲得するに至りました。
雑誌のテストが厳しいのは、その読者である一般ユーザーの目も厳しいからだと思っています。そもそも欧州では高性能な車種が多く、一般道でも日本よりアグレッシブな走行が一般的です。アウトバーンのような速度無制限の高速道路があることをイメージして頂けるとわかりやすいかなと思います。このような道路や走行環境の違いがクルマやタイヤへの要求を高めているのでしょうね。厳しい評価は、タイヤメーカーが本来知るべきことだと思うのです。いいことばかりではなくて、ダメなところは何か、改善すべきところはどこなのかを早く知ることが、より良いものを早くつくることに直結すると私は思っています。
こうした厳しい環境は欧州、特にドイツという国では文化として根付いていることもあって、我々のプロクセスの開発の中心は欧州で進められています。












































