15年目の東北660選手権は濃霧と雨で波乱の開幕
2011年にスタートし、15回目のシーズンを迎えた東北660選手権。開幕戦は2025年4月13日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、東北をはじめ遠方からも多くのエントラントが参戦しました。各クラスの戦いをレポートします。
難コンディションで明暗分かれる展開に
15回目となるシーズンを迎えた東北660選手。レース当日の天候は、練習走行をディレイせざるを得ないほどの濃霧。昼が近づくにつれて視界はよくなるものの、雨が降り続いた。また、SUGOはシーズンオフの間に路面を再舗装したこともあり、2024年までとのギャップに躊躇するドライバーも多かったようだ。それでは各クラスの戦いを順に追ってみよう。
1クラス(トップグレードハイグリップタイヤを装着・改造範囲高)
2023年に頭角を現した90#新関透が、1分55秒506で余裕のポールポジションを獲得。2番手の154#小松日高は1分57秒250、3番手の10#アベは1分58秒512と、逆転するにはかなり苦しい状況となった。決勝も新関が圧倒的な速さで逃げ切り、見事なポールトゥウィンを決めた。
2クラス(トップグレードハイグリップタイヤを装着・改造範囲中)
2012年の初戦から参加し続けているベテラン、36#米山修二が初のポールポジション。以前からウェット路面での速さには定評があり、悲願の初優勝に王手をかけたといえそうだ。なお、2番手には3クラスからステップアップした601#大堀斗夢、3番手も同じく86#竹中康平というフレッシュな顔ぶれが続く。
決勝は目論見どおり米山が逃げ切って嬉しい初優勝を果たす。しかし、表彰台の一角に立つかと思われた大堀と竹中は順位を落とし、準優勝は予選4番手からスタートした204#フジムラヨシト。東北660選手権に限っていえば参戦歴は浅いものの、サーキット走行の経験は非常に豊富で、2024年は5クラスに参戦していた。3位には、2024年から2クラスで戦っている108#西沢拓真が入った。
なお、西沢は今回が結婚してからの初レースということで、軽量パーツ1点がもらえるハートビート賞も獲得。FRPリアゲートで戦闘力を高めた愛機を駆り、シリーズ争いにも絡んできそうな予感がする。
3クラス(セカンドグレードモデルタイヤを装着・改造範囲低)
2025年も最大の激戦区となった3クラスは、クラッシュから約1年ぶりに復帰した177#大木佳人がポールポジション。それに続くのはガレージ・カリノからエントリーの771#淀孝志、そして今シーズンの飛躍が見込まれていた127#千吉良伶。

決勝は滑る路面でコースアウトが続出する荒れた展開となり、大木は接触のペナルティによりトップ争いから脱落。代わってトップでチェッカーを受けたのは千吉良。冷静なドライブが功を奏した結果となった。準優勝は、いち早く新舗装のクセを掴んだという775#良川勇司。3位には、予選5番手からポジションアップを果たした73#高岡威が入った。
4クラス(トップグレードハイグリップタイヤを装着・改造範囲高・AT/CVT車)
AGSのスズキHA36型「アルト」が有利と思われるなか、ATのダイハツ「エッセ」を駆る67#鈴木茂がポールポジションを獲得。以前はギヤ比を考慮し、あえて3速ミッションを使うこともあったが、現在はタイヤサイズで調整して、ミッション自体は4速を常用している。予選2番手は168#高杉俊太郎、3番手は5#高松正雄。決勝はポジションの変動なく、そのままゴールとなった。
5クラス(トップグレードハイグリップタイヤを装着・改造範囲中・ビギナー限定)
初参加の910#工藤与輝がデビューウィンを飾り、準優勝が303#佐野心優、3位は83#日景良一というオーダーとなった。
なお、東北660選手権の第2戦は2025年6月29日に福島県二本松市のエビスサーキット東コースで行われ、東北660ターボGPとS660のワンメイクレース「H1カップ」が併催される予定だ。各クラスとも、熱くクリーンなバトルを期待したい。

















































































