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ダイハツL250型「ミラ」は東北660選手権初年度から参戦を続ける最古参マシン

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 外装のフルリメイクも目標だとか。初代オーナーがオレンジのボディカラーに全塗装したという
  • エンジンはEF-SEからEF-VEに換装。車検証にはEFしか記載されないため公認車検も不要
  • レース前日にクラッシュ。コアサポートとラジエーターを修理し、リタイヤを回避した
  • タイヤはセカンドラジアルのポテンザ アドレナリンRE004をチョイス。3クラスの定番だ
  • レギュレーションに沿って6点式のロールケージを装着。不要な内装はすべて取り外している
  • メーターはダイハツ L150型ムーヴ純正を移植。車速センサーが電気式なので意外と面倒だったとか
  • 使い込まれたバケットシートは友人から譲ってもらった中古品。座り心地が気に入っている
  • 畑中千宙(左)と阿部快成(右)がL250型ミラを共同で所有している。スプリントのレースは交互に出場するのだろうか?
  • 今や東北660シリーズで唯一となったL250型ミラ。2025年もその勇姿を見ることができそう

ドライバーもマシンも変わるなか、走り続ける1台

2011年にNAエンジンの新規格軽自動車によるレースとして始まった東北660選手権は、2024年で早くも15回目のシーズンを迎えました。ドライバーもマシンも入れ替わりを重ねるなか、オーナーを変えつつ参戦し続けているマシンが存在します。それが、2024年シーズンをゼッケン番号29で戦ったダイハツL250型「ミラ」です。このマシンで参戦するチームを紹介します。

代を重ねて着実に成績を伸ばしてきたL250型ミラ

今回取り上げるダイハツL250型「ミラ」は、現在は阿部快成と畑中千宙の共同所有となっている。まずは15年にわたるこのクルマの軌跡を振り返ってみよう。

記念すべき初戦は、2011年7月23日に開催された。ノーマルで搭載されていたシングルカムのEF-SEエンジンで挑み、ベストタイムは1分15秒をギリギリで切れる程度だった。ライバルのHA23型アルトやL275型ミラに比べると非力すぎて勝負にならないと感じた当時のオーナーは、すぐにツインカムのEF-VEエンジンに載せ替え。最終戦では、なんと10秒ものタイムアップを果たした。

2015年に2代目オーナーへバトンタッチされ、さらに成績を伸ばしていく。2021年には3代目オーナーへと受け継がれ、2023年には準優勝に輝いたのだ。そして、そのオーナーがL275型ミラにマシンを変更したことで、4代目オーナーとしてステアリングを託されたのが、阿部と畑中というわけだ。

歴史を絶やさぬ覚悟⋯突貫作業で出走へ

フル参戦しなかったシーズンこそあれど、年に1戦は必ず出場してきたL250型ミラ。そんな長い歴史をよく知る阿部と畑中だけに、2024年も「特別戦だけでも参加しよう!」と意気込んでいた。ところがレース前日の練習で、初サーキットだった畑中がコースアウト。ラジエーターとコアサポートを破損し、一時はリタイアかとも思われた。

しかし「年に1回は参戦してきた歴史を途切れさせたくない」という想いから、突貫で修復を行った。残念ながら結果は振るわなかったものの、60分のセミ耐久レースを完走したのは立派だろう。

過去には激戦の3クラスで表彰台を獲得した実績もあるL250型ミラ。古いクルマではあるが、そのポテンシャルはまだまだ健在だ。

とはいえ、課題も少なくない。新規格軽自動車のミラのなかでももっともマイナーなL250型は、サスペンションや吸排気系といった基本的な部分を除けば、チューニングパーツの選択肢が圧倒的に少ない。さらに、生産終了からすでに16年が経ち、純正パーツの廃盤も予想される。さらに15年にわたってレースで酷使されたボディも、大がかりなリフレッシュが必要な時期に差しかかっている。

東北660選手権のフルシーズンを戦い抜くハードルは、決して低くはない。けれども、フレッシュな阿部と畑中の2馬力で、これからもL250型ミラの歴史を紡いでいってほしい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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