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東北660耐久レース開幕! 吹雪が襲う厳しいコンディションで優勝を獲得したのは?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 全3戦のシリーズを組む東北660耐久レース。スプリントとは違った難しさと面白さがある
  • 2025年シーズンから劇的に増えたスズキ HA36型アルト。MTとAGSでタイムや燃費に大きな差はない
  • 耐久レースにピッタリなセラメタの強化クラッチ。ブースを出展して半額券もプレゼント
  • 前日の練習でクラッシュしたした2#パワクラSリミ☆ノービス走GT。ハコ替えで決勝には間に合った
  • 舗装のランオフエリアができたエビスサーキット東コース。全車とも練習走行でチェック
  • 予期せぬトラブルが発生するのは耐久レースの常だ。懸命に修復してコース復帰を目指す
  • 決勝は一時的に雪が舞う場面も。刻々と変わる路面コンディションに翻弄される1日だった
  • チェッカーが振られるとチームの枠を超えて祝福。過酷な200分を戦い抜いた同志なのだ
  • 2クラス優勝の216#HMJM
  • 3クラス優勝の2#爆走田中組
  • 3クラス準優勝の382#DUMCブライダルアルト
  • 3クラス3位の30#おちんぎん大好きレーシングミラ
  • 学生クラス優勝の382#DUMCブライダルアルト
  • 学生クラス3位の103#APUMSC
  • 2クラスの表彰式
  • 3クラスの表彰式
  • 4クラスの表彰式
  • 学生クラスの表彰式
  • 学生クラス準優勝の680#NUMCおニューアルト
  • 4クラス優勝の829#チーム関東ARY

目まぐるしく変わる天候⋯24台が熱戦を展開

2015年にスタートした軽自動車による東北660耐久レースは、当初はエントリーが10台に満たないこともありました。しかし、ここ数年は学生クラスが広く認知された影響もあり、コンスタントに20台を超えるマシンが参加しています。2025年3月30日に福島県二本松市のエビスサーキット東コースで開催された今年の開幕戦では、目まぐるしく変わる天候のなか、24台による熱いバトルが展開されました。そのレースの模様をお伝えします。

注目は最大の激戦区3クラス

3月30日にエビスサーキット東コースで開催された今年の開幕戦は、目まぐるしく変わる天候のなか、24台による熱いバトルが展開された。唯一のターボ車は2クラスの216#HMJMで、スズキHA36型「アルトワークス」を持ち込み総合優勝を狙う。予選はまったく無理をする必要がない状況だったが、それでも1分16秒357で総合ポールポジションを獲得。決勝は直線の速さを活かして淡々と周回を重ねたが、思ったより燃費が悪く、終わってみれば総合3位。次戦ではペースを落として給油回数を減らすか、ペースを上げて給油のタイムロスをカバーするか、チーム員と相談しながら作戦を練りたいとのことだ。

最大の激戦区は3クラス。ダブルエントリーとなる学生クラスを含めると11台で、そのうち過半数となる6台をHA36型アルトが占めたのもトピック。ECUの解析により速さは従来のアルトやミラに迫り、燃費のよさはライバルを寄せ付けないレベルで、耐久レースには格好のベース車といえるだろう。しかし、熟成の度合いではHA23型アルトなどに分があるようで、予選はエッセの2#爆走田中組がポールポジション、2位と3位はHA23、HA36のクラス最上位は4番手だった。

学生クラスのポールポジション382#DUMCブライダルアルトは、東北660の経験が豊富なドライバーを集め、3クラスでも3番手、総合でも十分に上位を狙える好ポジションから決勝に挑む。

決勝は吹雪に見舞われる波乱の幕開け

200分で争われた決勝レースは、天候が目まぐるしく変わり、時おり吹雪に見舞われる過酷なコンディションとなった。路面温度は上がらず、コースアウトやクラッシュも心配されたが、駆動系のトラブルによる車両回収が入ったほかは、大きなアクシデントはなかった。

見事3クラスを制したのは2#爆走田中組で、嬉しい初のポールトゥウィンとなった。準優勝の382#DUMCブライダルアルトは学生クラスでも優勝し、ダブルで表彰台を獲得。3位は、2024年の最終戦でリタイアに泣いた30#おちんぎん大好きレーシングミラ。

なお、学生クラスの準優勝は、19歳と20歳だけの若手チームで、2024年から箱替えしたHA23型アルトの680#NUMCおニューアルト。3位は、4番手と同一周回の接戦を制した103#APUMSC。

注目のHA36型アルトは、4位が69#GR99(株)RPS、K-school、5位は31#GGアルトAGSという結果だった。面白いのは、この2台の仕様や作戦だ。MT車の69#GR99(株)RPS、K-schoolはある程度ペースを抑えて無給油、2ペダルの31#GGアルトAGSは給油しての全開走行とアプローチは異なるものの、200分を走り抜いた結果は19.5秒という僅差。どちらもクラス優勝から3ラップ差だった。セーフティカーやピットインのタイミングに左右された部分もあるが、HA36の持つポテンシャルは十分すぎるほど証明されたといっていいだろう。

そして4クラス(ATまたはCVT車)は、829#チーム関東ARYが独走で総合優勝。もう1台の32#パワクラSリミ☆ノービス走GTは、前日の練習走行でクラッシュし、シングルカムで3速ATかつ5ドアのミラに主要パーツを移植しての出走となった。

第2戦は2025年7月20日に福島県福島市のリンクサーキットで、シリーズ最長となる5時間の耐久レースが開催される予定だ。。各チームが工夫を凝らすドライバーとクルマの熱対策にも注目したい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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