クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 絶不調のMG「B」が最高の相棒に!セカンドオピニオンの的確な診断と手術で蘇る
CLASSIC
share:

絶不調のMG「B」が最高の相棒に!セカンドオピニオンの的確な診断と手術で蘇る

投稿日:

TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)/沼田亨(NUMATA Toru)

  • 大学の自動車部時代からの友人コンビ、小川喜康さんと山田恵一さん。小川さんの愛車、1971年式MG「B」でクラシックカーラリーを楽しむ
  • MG「B」:センター部分には、「線踏み」競技用の計測機器を装備したインパネ。ウッドステアリングはMOMO製「モンツァ」
  • MG「B」:年式的に車検にはヘッドレストが必要。運転席側のコブラのバケットシートにも備わっている
  • MG「B」:オイルプレッシャーゲージと水温計はスミス製のデュアルゲージ。購入時は油圧がなく針が動かなかったが、現在はエンジンをオーバーホールして完調となり、しっかりと油圧がかかる
  • MG「B」:1962年から1980年までロングセラーモデルとなったMG「B」。小川さんの愛車は1971年式だ
  • MG「B」:本来はシールドビームだというヘッドライト。安全性を考えて明るいハロゲンランプへと変更している
  • MG「B」:165/80R14サイズのタイヤとスポークホイールはセンターロック方式。フロントはディスクブレーキを備える
  • MG「B」:センターコンソール部分に装着されているのは、決められた区間を指示速度で誤差なく走るPC競技で、1/100秒を競うための計測用タイマーだ
  • MG「B」:キーホルダーに付けると開ける時に不便だが、差しっぱなしだと振動で落下する。マグネット型キーホルダーでこの問題を克服した
  • MG「B」:「コッパディ小海」の名物といえば、標高差のあるワインディングコース。ジャガーを従え、木立の中を走り抜けるMG B
  • MG「B」:明神池の周遊道路では、連続したPC競技が行われる。ドライバーとコ・ドライバー、ともに真剣な表情で挑む
  • MG「B」:1962年から1980年までロングセラーモデルとなったMG「B」。小川さんの愛車は1971年式だ

不調だったクルマが時間を重ねてかけがえのない相棒となった

クラシックカーに対する知識がさほどない頃に偶然出会った1台のMG「B」。ところが、最初は頼りなくても当たり前と言われ、不安も抱えながら乗っていました。ところがセカンドオピニオンによって大修理を敢行して時間を共に過ごすうちに、気付けばかけがえのない存在に変わっていました。

ポルシェ964型911でクラシックカーラリー参加して楽しさは知るが……

爽やかな季節に開催されるラリーイベント「コッパディ小海」にMG「B」で参加していた小川喜康さん。コ・ドライバーは大学・自動車部時代からの友人である山田恵一さんだ。標高差のあるコッパディ小海のコースをオープンカーで駆け抜けるのがとても気持ち良いと、毎年楽しみにしているという。このようなラリーに参加するようになったきっかけは、比較的年式が新しいクルマでも参加できるイベントだった。

「当時乗っていたのはポルシェ911(964型)でしたが、1960年代からの継続生産車とみなしてくれたのでしょうね。初エントリーできて嬉しかったのですが、他車との世代の違いを痛感しました」

前年に見学で訪れたイベントの楽しさを味わいながらも、前後に並んでいた旧いクルマへの憧れを募らせていった。

2010年頃からクラシックカーに興味を持ち、展示や走行イベントを観に行っていた小川さん。ラリーへの出場は2015年に叶うことになった。そして翌2016年、ある日、とある都市のクラシックミニ専門ショップで、ほこりを被った整備途中の右ハンドルMG「B」と出会う。

「値段も手頃でしたし、右ハンドルだという点も魅力に感じたので、後のことは深く考えずに購入しました」

購入費用相当の大手術を施して見事に蘇ったパワーユニット

小川さんにとって初めてのクラシックカー。手に入れたクルマの状態がどの程度かわからなかった。購入したショップや、その後足まわりを改善してくれたショップで

「こんなものですよ」

と言われた言葉を信じていた。

「油圧計の針が上がらないのも問題ないと言われても、クラシックカーに詳しくありませんでしたが、少し不安になりましたよね」

そして、セカンドオピニオンとして見てもらったショップでオイルパンの中を点検したところ、鉄粉だらけでオーバーホールは必須状態だった。

エンジンのブロックのボーリング、オーバーサイズピストンへの変更、コンロッドのバランス取り、カムシャフトの修正、ラジエータの張り替えと、あっという間に車両代に匹敵する「諭吉さん(当時)」が飛んでいったそうだ。

その後、慣らし運転を終えると、それまでの不調が嘘のようにMG「B」はパワフルに蘇った(これが本来の姿だったのか!)。

「当初、MG「B」は入門用に良いかなと選んだのですが、この修理をしなければ、おそらく2〜3年でほかのクルマに乗り換えていたと思います。また、年式が1971年ということで、どうしても1960年代の仲間に入れない劣等感のようなものにつきまとわれましたが、気付けば購入から9年を越しました。トラブルだらけのクルマを、よくここまで仕上げて乗ってこられたと感慨深いです」

劣等感を持ったこともあるMk3ボディのMG「B」だが、現存数が少なく、逆に珍しいこともあり、最近はよく褒められるのも嬉しいという小川さん。

クラシックカーラリーに参加し始めて10年。最近は「線踏み」と呼ばれるPC競技でも上位に入ることもあり、さらに楽しくなってきた。

苦楽を共にしたMG-Bは「腐れ縁になるね」と笑顔を見せてくれた。

すべて表示

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS