より高出力なGTCスペックで製造されたF40 LM
フェラーリ本社発行のビルドシートおよび出荷明細書、フェラーリ研究の世界的権威マルセル・マッシーニ氏による履歴報告書、そして「フェラーリ・クラシケ」認証書から統合した情報によれば、RMサザビーズ「Monterey 2025」オークションに出品されたフェラーリF40LM、シャシーナンバー95448は、ミケロット社によって製作された14台目のF40コンペティツィオーネだ。
より高出力なGTCスペックで製造されたこのLMは、希少価値の高いレキサン樹脂のスライド式サイドウインドウを装備している。また、特徴的なロッソ・コルサ塗装に「ストッファ・ヴィゴーニャ(布張り)」シートトリムの組み合わせで仕上げられている。
1992年12月の完成から数カ月後、このLMはスイス・サンモリッツ在住のファーストオーナー、故ウォルター・ハグマン氏に引き渡された。同氏は「275GTB/4」や「F50」など、歴史的に重要な歴代の跳ね馬モデルも所有していた著名なコレクターだ。
ハグマン氏は、このハードコアなサーキット専用マシンを熱心に愛用したようで、1993年5月にムジェッロ・サーキットで行われたプライベートテスト中に軽微な事故を起こしている。しかし、ミケロット社はリアエンドの損傷を迅速に修復した。その後、この個体は1993年7月号のスイスの自動車専門誌「Auto Illustrierte」で特集された。
1993年10月、F40はムジェッロで開催されたフェラーリ・クラブ・イタリアのミーティングで初公開された。その後、1998年2月のチューリッヒ・モータークラシックショーに出展されるなど、現代に至る長いイベント参加ヒストリーの端緒を切った。
ハグマン氏は2002年にこのLM仕様車をスイスの同好家に1度売却したが、2007年には買い戻し、ミュンヘンの金融関係者に再び譲渡した。このオーナーはその後の8年間、イタリアのモンツァ、フランスのルヴィジャン、チェコのブルノ、スペインのバレンシアなど、数々のシェル・フェラーリ/マセラティ・ヒストリックチャレンジイベントでこの特別なF40を存分に楽しんだ。
また、2009年4月にはフェラーリ・クラシケによる正統性の認証を受けている。エンジンとトランスアクスル、ボディワークがすべてオリジナル部品であることが正式に確認された。物理的な「レッドブック」は現車に付属していないが、フェラーリ・クラシケ認証ページのデジタルPDFが保管されている。
この2009年のクラシケ認証プログラムにあたって記録された唯一の変更点は、オリジナルの3ピース式OZアロイホイールよりわずかに幅の狭い、同じくOZ社製のマグネシウム・モノブロックホイールに交換されていたことだ。このホイールは現在でも装着されている。そして、このクラシケ認証から間もなく、エンジンの調律とアップグレードのため、ミケロット・ファクトリーに戻されたと伝えられている。


























































































