ミラー・フォードが迎える巨大な展示空間
レンタカーを駐車場に停め、博物館の建物へと向かう。近づくにつれて、その巨大さに驚かされた。どんなクルマがどれだけ収蔵されているのか、期待は膨らむばかりだ。正面エントランスを入ると、まずミラー・フォードが出迎えてくれた。
1935年式ミラー フォードには、5年前にミシガン州のヘンリー・フォード博物館(The Henry Ford Museum)で出会っていたが、このような華やかなシチュエーションで再会すると、また印象が違って見える。敬愛する前輪駆動の先駆的技術者であり、エンジン・チューナー、そしてマシン・コンストラクターとして活躍したハリー・ミラーが制作したマシンだけあり、350km走ってきた疲れも吹き飛んだ。
ミラー・フォードが展示されている先にはハリー・A.ミラー・ギャラリー(HARRY A.MILLER GALLERY)と名付けられた展示コーナーがあり、彼が手掛けた数々のレーシング・エンジンやマリン・エンジンが並んでいた。
さらにその先には、1960年代から1970年代にかけてボビーとアルのアンサー兄弟がドライブしたINDYカーが、そして1980年代から1990年代にかけてアルの息子「リトル・アル」がドライブしたINDYカーが続く。アンサー一家の栄光を示す時代絵巻が繰り広げられているのだ。
ただ、すべての展示車両に決まったスタイルのパネル(年式、車名、スペックなど)が設置されているわけではない。そのため、正式な車両名が分からないクルマも少なくなかった。とくに、アメリカン・レーシングに詳しくない人にとっては、ミジェットカーなどはほとんどの車両が「?」となってしまう。そのために大半の写真が整理できないままだ。
今回の博物館紹介がINDYカーのレポートがメインになってしまったのはそのためである。それを差し引いても、アメリカン・スピード博物館の見学はお勧めだ。とくにアメリカン・モータースポーツに興味があるなら必見の自動車博物館。あらためて資料を漁り、写真の整理を進めたいと思う。









































