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伝説のINDYカーとエンジンがずらり!アメリカン・モータースポーツの歴史が凝縮された博物館

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

  • 1920年 ミラー 124スーパーチャージド・マリンエンジン:ハリー・ミラーが水上飛行機用に特別に設計したエンジンです。124キュービックインチ(約2L)の直列8気筒ツインカムで、水冷式スーパーチャージャーを装着しています
  • 1926年 ミラー “91” ストレート8 レースエンジン:エンジンの最大排気量が124キュービックインチから91キュービックインチ(約1.5L)に引き下げられました。1926年のインディカー用に製作された直列8気筒ツインカムエンジンです
  • 1935年 ミラー・フォード “21スタッド” サイドバルブV8:フォードと共同で、1935年のインディ500マイル用にハリー・ミラーが手掛けたマシンです。彼にとって最後のレーシングカーであり、前輪駆動が最大の特徴でした
  • 1967年 ローラ T90 “2号車 ジョニー・ライトニング スペシャル by アルフレッド・アンサーSr.”:「ビッグ・アル」ことアル・アンサーSr.が1967年シーズンにドライブしたローラT90です。スポンサー名からジョニー・ライトニング・スペシャルと呼ばれました
  • 1969年 ゲルハルト 69 “57号車 ジ・アート・ポラード/STPカー by カール・ウィリアムス”:1968年のインディ500に投入されたロータス56をコピーし、1969年に製作されたマシンです。禁止されたガスタービンが内燃エンジンに、4輪駆動が後輪駆動に換装されています
  • 1971年 イーグル 71 “2号車 ガーニー・イーグル カー by ボビー・アンサー”:アル・アンサーSr.の兄、ボビー・アンサーが1971年にドライブしたイーグル71です。インディ500では予選3番手からトップを快走しましたが、リタイアに終わりました
  • 1971年 ローラ-パーネリ P.J.コルト “1号車 ジョニー・ライトニング スペシャル by アルフレッド・アンサーSr.”:アル・アンサーSr.が1971年にドライブしたローラ-パーネリです。1969年のローラをベースにした「新車」でした。インディ500でアルはレースの大半をリードし、1970年に続いて2連覇を達成しました
  • 1973年 パーネリ VPJ-2 “4号車 バイスロイ by アルフレッド・アンサーSr.”:VPJ-1に続く1973年シーズン用のインディカーです。インディ500ではリタイアに終わりましたが、事実上の開幕戦となったテキサスで勝利しています
  • 1984年 マーチ 84C “7号車 クアーズ・ライト スペシャル by アルフレッド・アンサーJr.”:「リトル・アル」ことアル・アンサーJr.が1984年シーズンにドライブしたマーチ84Cです。リトル・アル自身も初優勝を飾り、ランキング6位となりました
  • 1994年 ペンスキー PC-23 “31号車 マールボロ by アルフレッド・アンサーJr.”:若きトップドライバーとなった「リトル・アル」が1994年にドライブしたペンスキーPC-23です。インディで勝利し、シーズン8勝を挙げて2度目の王座に就きました
  • ハリー・A.ミラー・ギャラリー:エントランスに入り、ミラー・フォードを横目に進むと、ハリー・A.ミラー・ギャラリーが現れます。ここでは、ミラーが手掛けた数々のエンジンが展示されています
  • 1972年 パーネリ VPJ-1 “4号車 バイスロイ by アルフレッド・アンサーSr.”:パーネリ・ジョーンズ・レーシングが1972年に製作したインディカーです。インディ500では19番手から追い上げ、2位入賞を果たしました

アメリカのモータースポーツ好きなら必見の自動車博物館

北米の博物館巡りシリーズ第7弾は、ネブラスカ州リンカーンのアメリカン・スピード博物館(Museum of American Speed)です。かつて名門アンサー一家の活躍を伝えた「アンサー・レーシング博物館」の貴重な収蔵品が移され、往年のINDYカーや歴史的レーシングエンジンがずらりと並びます。1935年式ミラー「フォード」からアル アンサーJr.が駆ったマシンまで、アメリカン・モータースポーツの栄光を凝縮した展示は圧巻。広大な空間に息づくスピードの遺産を存分に堪能できる、必見の博物館です。

アメリカン・スピード博物館でアンサー一家の栄光に触れる

じつは、この日はもう1軒、カンザス・オートレーシング博物館(Kansas Auto Racing Museum)を訪れる予定だった。しかし、前日に訪れたブランソン自動車博物館とルート66自動車博物館の展示が充実していたこと、そしてアラ古希の筆者にはタフなスケジュールが厳しかったため、予定を変更した。翌日(8月3日)に取材予定のシェルビー・アメリカン・コレクション(Shelby American Collection)までは800kmほどの道のりがあり、クルマで7時間以上かかる。途中でモーテルに一泊するとはいえ、ふたつの博物館を取材するのとひとつに絞るのとでは、時間的なゆとりが大きく違ってくる。

そこで、カンザス・オートレーシング博物館を諦め、インターネットで調べた結果、アメリカン・スピード博物館1軒に絞ることにした。その決め手となったのは、2023年5月に閉鎖されたアンサー・レーシング博物館(Unser Racing Museum)の収蔵品が移転され、展示されていることだった。

アンサー・レーシング博物館は、ボビーとアルの兄弟、アルとアルJr.(愛称は「リトル・アル」)の親子で有名なアンサー一家の業績を称えた博物館だ。ボビーやアルの活躍は、学生時代に自動車雑誌やレース専門誌で読んだ記憶があった。1990年にフリーランスとなって最初の海外取材で訪れたCARTシリーズのロングビーチGPで勝者となったのが、アルの息子である「リトル・アル」ことアル・アンサーJr.だった。そのことから個人的な親近感が湧いたのを覚えている。そんなアンサー一家ゆかりの車両が展示されているなら、と事実上の一択となった。

当初は早朝6時にモーテルを出る予定だったが、カンザス・オートレーシング博物館を諦めたことで、スケジュールにゆとりが生まれた。ゆっくりと食事を済ませ、朝8時にモーテルを出発。350kmほどの行程を、途中でガソリン補給をしながら4時間余りで走り、12時過ぎにアメリカン・スピード博物館に到着した。

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