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日産新型リーフに乗って分かった! EV逆風時代を生き抜くための進化に日産の明日を見た!!【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 日産(NISSAN)/木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 日産 新型リーフ:運転席周り。室内空間は広く質感が向上しており、もはやコンパクトEVという枠を軽やかに飛び越えている
  • 日産 新型リーフ:大容量バッテリーを積みながらも、不思議なほど軽やかな操縦性を誇るのが特徴だ
  • 日産 新型リーフ:EV特有の瞬発力を備えつつ、乱暴さのない自然な加速フィールが魅力である
  • 日産 新型リーフ:ボンネット下のパワーユニット。モーターやインバーターのノイズは巧みに消され、驚きの静粛性を実現
  • 日産 新型リーフ:フロントシート。ウレタン密度まで見直されたシートが、長距離のドライブでも快適な座り心地を提供する
  • 日産 新型リーフ:充電ポート部。90kW級の急速充電器なら、約45分で充電率10%から80%まで素早く回復させられる
  • 日産 新型リーフ:充電中の様子。コーヒーを2杯飲み終えるころには、クルマのほうが先に元気を取り戻しているかもしれない
  • 日産 新型リーフ オーテック:ボディカラーは、ディープオーシャンブルーにスーパーブラックのルーフを組み合わせた「AUTECH」の専用2トーンを含めた、全5色をラインアップ
  • 日産 新型リーフ:55kWhの「B5」でも521kmを走破し、実用性という観点では十分すぎる
  • 日産 新型リーフ:インパネ全景。運転という行為を操作から対話へと昇華させる、ドライバーとクルマの自然な一体感がある
  • 日産 新型リーフ:運転席からの視界。厚い遮音ガラスが風切り音やタイヤノイズを遠ざけ、静かな移動体験をもたらしてくれる(Go Proを固定し撮影をしています)
  • 日産 新型リーフ:気になる価格はB7で約590万円。航続距離の飛躍的向上と車格の進化を思えば、これは確かな成長の証だ
  • 日産 新型リーフ:リヤビューも洗練。55kWhバッテリーの「B5」でも航続距離521kmを実現し、実用性は十分だ
  • 日産 新型リーフ:洗練されたフロントマスク。航続距離は日産のEV史上最長の702kmを誇る(ロングレンジ仕様「B7」)
  • 日産 新型リーフ:特徴的なテールランプ。夜間でも存在感を放つデザインが、リアのスタイリングをさらに引き締めている

画期的進化を遂げた日産「リーフ」の航続距離702kmが示すEVの現在地と明るい未来の話

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のお題は、逆風が吹き荒れるEV市場において、静かに、しかし力強く進化を遂げた新型の日産「リーフ」です。航続距離702kmを誇るロングレンジ仕様「B7」のステアリングを握り、驚きの静粛性や洗練された乗り味を体感しました。EVシフトの現在地と、新型の日産「リーフ」が指し示す日産の未来について紐解いていきます。

やや性急だったEVシフト戦略で失速が続いたが、新型の日産「リーフ」と対話してEVの可能性が見えてきた

ホンダと日産──日本の自動車史を語るうえで欠かすことのできない2つの巨星が、いま業績の低迷という現実に直面しています。その理由のひとつとして語られるのが、やや性急にも見えたEVシフトの誤算でしょう。

思い返せば、EVはまるで自動車産業の新たな花形として、拍手喝采を浴びながらステージ中央に躍り出た存在でした。ところが、中国メーカーの驚異的な躍進や、米国のEV政策の揺り戻しといった外部環境の変化が、市場の先行きを少しだけ暗くしてしまったようです。もっとも、EVそのものの未来価値に疑問を挟む余地はありません。むしろ、課題をひとつひとつ丁寧に解きほぐしていくことで、再び販売の潮目が変わる可能性を秘めていると私は考えています。

その確信を強くしたのが、新型の日産「リーフ」との対話でした。今回試乗したのは、78kWhバッテリーを搭載するロングレンジ仕様「B7」です。航続距離はなんと702km。日産のEV史上、最長記録となる数字です。数字だけを見れば、もはや“航続距離不安”という言葉は、少し古びた流行語のように思えてきます。もちろん、55kWhの「B5」でも521kmを走破するのですから、実用性という観点では十分すぎるほどでしょう。

航続距離702kmがもたらす安心感と心拍数に同調する自然な一体感は「操作」から「対話」へと昇華

日産の調査によれば、日産「リーフ」の購入を検討しながらも断念した理由のひとつが充電インフラの不足だといいます。確かに、長距離移動を頻繁に行うユーザーにとっては、急速充電設備の少なさは心理的なブレーキになります。

ですが、702kmという航続性能は、そのブレーキを少しだけ緩めてくれるはずです。さらに、SOC(充電率)が10%まで低下した状態からでも、90kW級の急速充電器なら約45分で80%まで回復するというのですから、コーヒーを2杯飲み終えるころには、クルマのほうが先に元気を取り戻しているかもしれません。寒冷地対策も抜かりありません。バッテリーを冷却したり保温したりと、最適温度を保つ工夫が施されています。実際のドライブでは平均6.0km/kWhという優れた電費性能を記録しました。

しかし、このクルマの真価はバッテリー性能だけでは語れません。まず驚かされるのは質感の向上です。室内空間は広く、もはやコンパクトEVという枠を軽やかに飛び越えています。

加速フィールも秀逸です。EV特有の瞬発力は当然備えていますが、それを誇示するような乱暴さはありません。アクセル開度に忠実に、まるでドライバーの心拍数に同調するかのように応答するのです。この自然な一体感こそ、運転という行為を“操作”から“対話”へと昇華させてくれます。

遠回りしてきた日産の経営だが、新型の日産「リーフ」と同じく航続距離を伸ばし静かに力強く前に進むはず

操縦性にも洗練が感じられます。大容量バッテリーを積むと、どうしても足取りが重くなりがちですが、B7は不思議なほど軽やかです。サスペンションのセッティングも巧妙で、路面からの突き上げは穏やかです。シートのウレタン密度まで見直したという話を聞き、私は思わず「そこまでやりますか」と笑ってしまいました。

静粛性も見事です。モーターやインバーターのノイズは巧みに消され、厚い遮音ガラスが風切り音やタイヤノイズを遠ざけます。こんなにも静かな移動体験は、かつてのガソリン時代には想像しにくかったものです。

気になる価格はB7で約590万円。補助金を差し引けば現実的な水準とはいえ、かつて“庶民のEV”と呼ばれた日産「リーフ」を知る人には、やや高嶺の花に映るかもしれません。ですが、航続距離の飛躍的向上と車格の進化を思えば、これは成長の証とも言えるでしょう。

EVがやや逆風にさらされる時代にあって、この新型の日産「リーフ」は確かな存在感を放っています。派手な花火ではなく、消えない灯火のように、静かにしかし力強く前へ進む1台です。

日産の経営は、確かに遠回りしているように思えます。ですが、道は必ず続いていきます。そんな当たり前の真実を、日産「リーフ」は優しく教えてくれたような気がします。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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