データゼロから自作 仲間と造り上げた驚異のキャンバー角14度を誇るミニバンに驚かされる
トヨタ「アルファード」とトヨタ「ヴェルファイア」を長年乗り継いできた生粋のミニバン愛好家、“moja”さん。2台目となる40系ヴェルファイアの納車とほぼ同時に、彼は迷うことなく限界の「鬼キャン(極端に車輪を傾けるカスタム)」へと足を踏み入れた。ショップに頼ることなく、気の置けない仲間たちとともにプライベーターとして極限のスタイリングを作り上げたのだ。情熱とアイデアが詰まった驚愕のカスタムカーが放つ、抗いがたい熱量を感じてほしい。
納車直後から限界の鬼キャンを目指した圧倒的な情熱に驚かされる
「40系で、このレベルの鬼キャンはいなかったから自分がやるしかないと」
そう熱く語る“moja”さんのトヨタ ヴェルファイアは、全下げ状態で前後ともに14度のキャンバー角(車輪の傾き)を誇る。さらに走行状態でもフロント15度、リア13度という驚異的な数値を叩き出しているのだ。
足まわりにはカズサス製のエアーサスペンション(空気の圧力で車高を調整するサスペンション)を採用し、ブラケット類はワンオフ(特注品)で緻密に加工している。Tディメンド製のイージープロ(ロールセンターアダプター)や各種アーム類を惜しげもなく装備した。カズサス製ロアブラケットは短縮加工を施したうえで、長穴加工を追加している。
くわえてナックル(車輪を支える部品)の削り込みで3度ほど角度を稼ぎ、ロアアームを上へ逃がすためのブロックも投入した。極限までホイールを倒し込むための変態的ともいえるアイデアが満載である。アッパーアームは最大35mmの全縮め状態にしてキャンバー角を稼ぐ。エアサスの台座をショート加工し、フロントと同様にリアにもイージープロのブロックを装備して取り付け位置を下げる徹底ぶりだ。

仲間と試行錯誤しながら最強のプライベーター仕様を造り上げる
驚くべきは、これらの過激なカスタムをプロのショップにほぼ頼らず、プライベーターとして仕上げた事実である。当時は40系ヴェルファイアのカスタムデータがまったく存在しない状況だった。暗中模索のなかで、彼らはどのようにしてこの境地にたどり着いたのだろうか。
当時の苦労を振り返りながら、“moja”さんは次のように語る。
「『SKガレージ』という名前で活動している友人の“関”さんと相談しながら造り上げました。彼は2輪から4輪まで、エンジンが載っているモノならなんでも手がける完全プライベーターなんです」
“関”さんのプライベートガレージであるSKガレージは、もはやプロのカスタムショップと言っても差し支えないレベルの設備と技術を誇り、クルマ好きの仲間たちが集う熱い溜まり場でもある。カスタムのスタート時にはデータが皆無だったため、後から調整することを前提として、あえてスーパースター製ホイール「レオンハルト・オルデン」の最大サイズ(20×10J)をチョイスしたそうだ。

腹下のクリアランスを確保する驚愕のワンオフ加工に舌を巻く
二人三脚で悩みながら作業を進めていったそうだが、なかでも特筆すべきは腹下のクリアランス(隙間)を確保するための執念の工夫である。エンジンマウントとメンバーの加工によって、心臓部を30mmほど上方へ引き上げている。もともとエンジンルームに余裕がある40系だけに、パッと見ただけではその大掛かりな加工に気付かないほどの自然な仕上がりだ。
さらに、デュアル出しでヤンチャ感を演出したかったというマフラーは、中間パイプからワンオフで製作された。なんと中間部分はメンバーの上を通して装着されており、極低車高でありながら腹下のクリアランスをしっかりと確保しているのだ。リアはツメの折り返しがない限界のラインまでカットし、インナーフェンダーは潔く取り外した。フロントはツメ折りこそしているものの、インナーフェンダーは無加工のまま美しく収めている。

「長距離を走る時はノーマルのタイヤとホイールで現地まで行って、この仕様に履き替えます。遠征は本当に大変ですよ」
笑いながらそう語る“moja”さんだが、その表情には愛車への深い愛情があふれている。ショップ任せではなく、自らの手と仲間の知恵を絞って作り上げた1台だからこそ、そこにはカタログスペックでは絶対に測れない圧倒的なロマンが宿るのだ。まさに鬼キャン界の最強プライベーターと呼ぶにふさわしい、底知れぬ情熱と苦労が結実した至高のヴェルファイアである。












































