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3代目スープラがレース活躍した90年代!勝利のために小さなエンジンに換装した理由

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了、『Auto Messe Web編集部 増田貴広』

03年のJGTCはNAの大排気量V8に変更

 IMSAやWRCで使用していた3S-GTEの“在庫”が底をついたこともあって、トヨタ/TRDでは新たなエンジンを開発することになった。ベースに選ばれたのは、それまでとはコンセプトを一新した大排気量のNA。具体的にはセルシオ/レクサスLSやクラウンマジェスタに搭載されていた自然吸気4.3リッターV8の3UZ-FE型だった。それを5.3リッターまで排気量を拡大していたが、実はレギュレーションの盲点を突いた策だった。

 JGTCでは海外、特に北米のエンジンを受け容れ易くするために、3.5リッター以上はエンジンのエアリストリクター(吸気制限孔)も車両重量もすべて同一とされていたのだ。またトヨタとしてはライバルが、ここまで大きなエンジンは用意しづらいだろう、との読みもあった。ただし、翌04年からは3.5リッターを超える排気量に関してもクラス再分化が行われることになり、トヨタ/TRDでは様々なシミュレーションからより効果的な車両を作り上げるために4.3リッターまで排気量を縮小している。

 3S-GTE型エンジンのラストシーズンとなった02年に王座に就いたチーム・ルマンの脇阪寿一/飯田章組は、3UZ-FE型にコンバートした新型車両で03年シーズンに出場、開幕戦のTI(現岡山国際サーキット)と第3戦のスポーツランド菅生で優勝。第7戦ではサードのドミニク・シュワガー/織戸学組も1勝したが、V6に載せ換えて戦ったGT-R勢に先を越され、シリーズランキングは2位に終わっている。

 続く04年シーズンもニスモGT-Rの連覇を許してしまうが、05年にはセルモの車両であるZENTカラーの38号車の立川祐路/高木虎之介組が3勝を挙げ05年のドライバーチャンピオンに輝くことになった。95年当時に比べるとエアロの進化が著しいことが見て取れるだろう。

 この年、3勝を挙げたセルモの立川祐路/高木虎之介がドライバーチャンピオンに輝き、この年限りでサーキットを去ることになったスープラの花道を飾ることになった。

 さて新型スープラは来シーズンからのスーパーGT参戦を表明している。その前に今年のニュルブルクリンク24時間耐久レースも参戦だ。活躍が待ち遠しい限りだ。

 

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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