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アメリカで2番目に長い歴史をもつレース!パイクスピークヒルクライムに参戦するマシンとは

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

17の国から88台の多種多様な参戦車両が集結

 アメリカで開催されるスタート地点とゴール地点の標高差1500mと世界でもトップレベルの過酷なヒルクライムレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。現地時間6月30日(日)には決勝レースが行われる。今年で第97回というこのレースウィーク初日は、世界各国から集まった88台のマシンの車検からスタートする。

 アメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇る山を舞台に1916年からほぼ毎年、アメリカの独立記念日前の週末に開催されているヒルクライムレース、それがパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(以下パイクスピーク)である。1914年から続いているインディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ長い歴史を持っている。

 スタート地点の標高は2862m。そして頂上の標高4302mのゴール地点まで、156のコーナーがある全長20kmの区間でレースが行われる。標高差は約1500m。ゴール付近では酸素が薄く、内燃機関のエンジンの出力は約30%低下するといわれている。ここをだれが一番速く駆け上がるかを競う、極めてシンプルなレースである。

 決勝1週間前となる6月24日(月)の車検から公式スケジュールはスタートした。パイクスピークのふもとの町であるコロラドスプリングスの「ブロードモア・ワールド・アリーナ」の駐車場には、朝からパイクスピークらしい実に多種多様な参戦車両が車検の順番を待っていた。その数88台。参加国をチェックするとじつに17カ国と参加する人たちも多彩だ。

 今回、日本から参戦するのは6選手、と昨年の倍となる。昨年に続き参戦するのは、ラリードライバーで電気自動車(EV)の日産リーフで参戦する奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフe+)と、BRIGヒルクライムシリーズに参戦を続けている小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)。

 また、カリフォルニア在住でFormula DRIFTで活躍している(2011年のFormula DRIFTチャンピオン)吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)が、パイクスピーク・ルーキーとして今回初参戦となる。4輪の3選手は、ともにタイムアタック1クラスに参戦する。

 そして2輪部門では、パイクスピーク・ヘビーウェイトクラスに井上哲悟選手(#54 2018年式カワサキZ900RS)、エキシビション・パワースポーツクラスに、テイスト・オブ・ツクバ(TOT)をはじめ各地のスピードイベントに参戦する新井泰緒選手(#183 1979年式カワサキZ1000)、そして自作EVマシンでマン島TTに続いて参戦する岸本ヨシヒロ選手(#39 2019 TEAM MIRAI Mark Coverdale IdatenX HC)の3名となる。 パイクスピークで伝説のドライバー、ロッド・ミレンを父に持つリース・ミレン選手は、フライングアボカドと呼んでいたベントレー・ベンテイガ(量産SUV最速記録となる10分49秒9を達成)から、今年は6リッターW型12気筒ツインターボエンジンを搭載するベントレー・コンチネンタルGTクーペに乗り換えて参戦する。ターゲットタイムは、2015年にデビッド・ドナー選手が出した10分26秒896(2014年式ポルシェ911ターボS/タイムアタック2クラス)。ゼッケン100はベントレーの創業100周年を意味する。

 それぞれが車検を終え、参戦選手は夕方から行われたドライバー&ライダーミーティングに参加し、レースデイ初日を終えた。走行は現地時間25日(火)からスタートとなる。ところが、舞台となるパイクスピーク・ハイウェイでは、例年にない降雪の影響で連日アッパーセクション(標高の高い区間)の通行ができない事態が続いている。明日からの走行にも支障がきたす恐れがある。

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