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意外と知らない「クルマに負担のかかりやすい走り方」

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

良かれと思っていることが大間違い

 クルマを長持ちさせるコツは、人間の健康を保つのと基本的に同じ。適度な運動と質のいい食事、そして休養の3つのバランスが重要だ。もっともクルマの場合、じつは一番ダメなのは”走らせないこと”。エンジン、ミッション、デフ、ベアリング、タイヤなど回転系の部品は、長い間動かさないと傷んでしまう。クルマは走るために設計されているので、人と同じで運動不足はよくない。

 基本的にはコンスタントにある程度長い距離を走らせるのが、コンディションを保つのにいいとされている。しかし、ただ単に走らせればいいというのではなく、走らせ方にもコツがあるのだ。例えば、短距離走行の繰り返しはオススメできないのである。

 1回の走行距離が8km以下の場合、冬場だとエンジンが温まりきらず、燃料が濃い目の状態が続くので、オイルがガソリンで希釈されやすくなり、さらにオイルに混じった水分が熱で飛ばされる前にエンジンが止まってしまうので、オイルの劣化が早くなる。

 また、始動時に負担がかかるバッテリーも十分充電されないので、バッテリー寿命も短くなりやすい。毎日、クルマを使っているけど、近所の駅までの往復や買い物だけという使い方の人は、知らないうちにクルマを酷使しているかもしれないわけだ。

 同様に、低速走行が多いというケース。ストップ&ゴーの繰り返しや低速での走行は、ブローバイガスが増えるのでオイルが劣化しやすく、燃焼室にカーボンが溜まりやすい。変速が多いためにプラグやクラッチ、ATFの劣化も早くなることも考えられる。実際に、某自動車メーカーでは30km/h以下の走行、もしくは走行距離又は運転時間の30%以上だと、シビアコンディションになるとしているのだ。

 また、アイドリング時間が長いのもクルマにとっては負担。とはいえ、アイドリングストップがついているクルマならば心配ないし、1日合計で2時間以内のアイドリングなら、それほど神経質になる必要はないだろう。

 また、山道や登降坂路を頻繁に走るのもブレーキやタイヤに大きな負担がかかる。山間部で生活していて、走行距離の30%以上が山道という人は、ブレーキやタイヤのチェック&メンテナンスをこまめにやるといいだろう。

 あとは悪路。例えば、体に衝撃(突き上げ感)を感じる荒れた路面、石をはね上げたり、わだち等によって下廻りを当てる機会の多い路面、他にもホコリの多い路面など、走行距離の30%以上となると、ボディやサスにストレスがかかり、ヘタリが早くなるのは避けられない。

 ホコリが多いとエアクリーナーやエアコンのフィルターなどが詰まりやすいし、塗装にも良くない。雪道を走る機会が多いクルマも、融雪剤(塩化カルシウム)の影響で、ボディ下面が錆びやすくなるので注意だ。

 その他にもホンダでは「外気温が氷点下での繰り返し走行が多い」ことも、シビアコンディションの条件として挙げている。これらのシビアコンディションと、ノーマルコンディションでは、オイルなどの消耗品の交換サイクルが変わってくるので、気をつけよう。

 なお、国土交通省では、「標準的な使われ方より厳しい条件で使用された場合のこと」とシビアコンディションのことを定義。各メーカーの取り扱い説明書、メンテナンスノート、ホームページにもシビアコンディションの条件と、オイルなどの交換時期などが明記されているので、確認してほしい。ちなみに国産車の場合、年間2万km以上走るのもシビアコンディション扱いとされている。

 クルマを長持ちさせるには、甘やかすのもダメだが、こうした負担のかかる走り方をできるだけ避け、なおかつオイルやタイヤなどの消耗品を、ケチらず、クオリティのいいものを適宜交換してやるのが重要。ちょっとした気配りで、5年後、10年後のくたびれ方に大きな差が出るので、愛を持って接するようにしたい。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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