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ホンダ車カスタムの両巨頭! 洗練の「モデューロ」と攻めの「無限」の違いとは

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TEXT: 佐藤知範  PHOTO: Honda、Modulo、M-TEC

F1優勝実績もある名門モータースポーツコンストラクター

 ホンダのワークス、無限(MUGEN)。もともとはホンダ創業者の長男・本田博俊氏がレース車のエンジンを作るために立ち上げたブランドで、1973年の設立以来、これまで世界中のレースで戦い、同時に数々のチューニングパーツを生み出してきた。

 90年代にはF1にも参戦。4度の優勝を飾った輝かしい経歴を持つ。30代中盤以降の世代では、F1で無限を知ったという人も多いだろう。

 今も昔も、扱うのは二輪・四輪含めてホンダ車のみ。スーパーフォーミュラやスーパーGTではホンダ系マシンにエンジン供給を行うなど、国内外のホンダのレース活動も無限が担う。

 それだけ深い関係ながら、無限を運営している株式会社M-TECは、本田技研工業の子会社というわけではない。パーツメーカーとしても、モデューロが純正ベースであるのに対し、無限はレースの香り漂う独自の商品を展開。両者ともホンダ直系かつスポーティ志向というのは共通しているが、きちんと色分けはされている。

 無限パーツのおよそ8割はホンダ正規ディーラーで販売され、一部の競技用以外はすべて保安基準適合。もちろんメーカー保証も効くし、一般ユーザーからすると純正オプション品のような安心感がある。それでいて純正とは明らかに違うスポーツマインド──「無限らしさ」を味わえるのが魅力。特に前述のF1世代には海外も含めて絶大な人気を誇る。

幅広いニーズに応えられるラインナップ

 商品のバリエーションは実に豊か。エアロをはじめ、ホイール、サスペンション、エキゾースト、ブレーキ関係など機能系部品の他、LEDテールライト、ミラーカバー、ドアバイザー、ドアハンドルプロテクターなどの外装系、ステアリング、シフトノブ、スポーツペダル、フロアマット、エンジンスタータースイッチといったインテリア系もあり。

 さらにはエアフィルターやエンジンオイル&エレメント、ブレーキフルードといった油脂類、ホンダ&無限ファンの心を掴む各種アパレルグッズまで展開する。

 最近はカーボン素材のアイテムにも力を注いでおり、グリルガーニッシュ、リアウイング、ルームミラーカバーなど多数設定する。一般的に市販品のカーボンといえば、ほとんどはウェットカーボンを指すが、無限のカーボンパーツは軽さと剛性に優れたドライカーボン製がメイン。自社工場には成形のためのオートクレーブも備える。

 いずれのパーツも基本路線はスポーティかつレーシー。車種にもよるが、レーシングカーのテイストを汲むアグレッシブなデザインがウリだ。そこには実際のモータースポーツで培ってきたノウハウが生かされており、特にエアロは優れた空力性能を持っている。レース車両のように風洞試験やCFD(流体解析)を駆使して造形されることもあるという。

 ただスポーティなだけでなく、たとえば新型フィット用のエアロは「ダッシュ」「スキップ」という2タイプを設定。ダッシュはいかにも無限らしいレーシーさを味わえるが、スキップはカジュアルに楽しめる仕様とするなど、より広いニーズに応えられるよう配慮。

 今年1月の東京オートサロンにコンセプト出展した際には、2タイプを1台のフィットで半々ずつ表現するなど、その展示方法にも注目が集まった。

純正OPより「少し攻めた」カスタマイズを楽しめる

 モデューロとの違いでいうなら、エキゾーストシステムに力を入れているのもレーシングエンジンを自ら手掛ける無限ならでは。

 ご存じの方も多いと思うが、昨今は騒音や排ガス関連の規制が厳しく、合法的な社外マフラーが少なくなっている。車検対応とするには、国土交通省の定める事前認証制度をクリアしなくてはならず、それには多くの手間とコストが掛かってしまうからだ。

 そんな中、無限はラインナップ車種のほぼすべてに交換用スポーツマフラーを設定し、自社施設にて製造している。いずれも車検対応だから音量は控えめではあるが、それでも排気効率など純正とは明らかに異なるし、高品質なステンレス製(フルチタン製や出口のみチタンやカーボン製品もあり)で耐久性も高く、軽量化にも貢献している。エアロと合わせて導入すればスタイリングもまとまる。

 またアルミホイールも純正よりワンサイズアップが基本。例を挙げると、N-BOXであれば純正サイズは14×4.5J inset40と15×4.5J inset45であるが、無限はN-BOX用として15×5J inset45と16×5J inset45を用意する。

 インチアップする場合は当然タイヤも換える必要が出てくるものの、大径化に伴い基本走行性能が向上。代わり映え効果も高いので、ドレスアップ志向のユーザーには嬉しいラインナップだろう。

今後のレース活動やパーツ展開も乞うご期待

 無限はワークスチューナーであり、モータースポーツを主とするブランドだ。

 モデューロが日常使いをベースにプラスαのスポーツ感を楽しむカスタマイズとするなら、無限は「サーキットベースだけど日常使いも楽しめるカスタマイズ」というイメージか。シビックタイプRやS660ユーザーからの支持率がダントツに高いのもうなずける。

 しかし、実は軽自動車のNシリーズ4兄弟や、オデッセイ、ステップワゴン、CR-V、ヴェゼルなどのミニバン・SUV系にも人気が高い。これらは特に速く走るためのクルマではないのだが、だからこそ本格派のスポーツテイストを取り入れることで、見た目も走りも大きく変えられる。商用車のN-VANを無限パーツでカスタマイズする、そういうところにも面白味がある。

 そもそもスポーツカーが少ない時代だ。保安基準が厳しくなったこともあるが、かつてのように速さを求めてイジる人は激減した。それでも無限が魅力を失わないのは、レース活動やカスタマイズパーツ開発を通して、走る楽しさ、カスタマイズの楽しさを訴求し続けてきたからだろう。

 コロナ禍の影響でスケジュールが押しているが、今年も無限はスーパーフォーミュラやスーパーGTという国内トップカテゴリにエントリー。スーパーGTでは若い世代へアピールする狙いも込め、新たにレッドブル・ジャパンとパートナーシップを結んでレースに挑む。チーム「Red Bull MUGEN」の活躍と共に、ますます魅力的なカスタマイズパーツが生まれることを期待したい。

 なお、東京オートサロンで披露されたマイナーチェンジ後の無限S660については、今夏中にフロント・サイド・リアのエアロパーツがリリースされる見込み。

 その後エアロボンネットやエンジンフード、ステアリングなども随時追加される予定。S660ユーザーはそちらもお楽しみに。

【画像ギャラリー】話題の新型フィット用・無限ボディキットの画像

【取材協力】
◆Honda Access https://www.honda.co.jp/ACCESS/
◆Honda Access 用品適用検索システム https://sfh.honda.co.jp/T001Action.do
◆無限 http://www.mugen-power.com

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