トラブル回避の風潮にも押され
次はクルマ側に起因するしめ縄が衰退した理由。もっとも大きいと感じるのはデザインの変化だ。しめ縄はフロントグリルに飾るのが定番だったが、近年はグリルレスのクルマが多いせいで取り付ける場所に困るだけではなく、デザインが洗練されお世辞にも正月飾りが似合っているとは言えないクルマが増えた。
せっかくの愛車をカッコ悪くしてまで神頼みしなくても、と考える人は若年層になればなるほど多いと思われる。宗教心に関係なく流行りでクリスマスリースなどに目が行けば、しめ縄もまた復活しないのかとも言えなくはないが……。もうひとつはバンパーに擦れて傷が付くのを嫌ったり、走行中に外れてトラブルに発展する可能性を避けることも大きい要因だろう。
また最新の安全装備を搭載したクルマであれば、自動ブレーキのセンサーなどに何らかの影響があるかもしれない。交通安全を祈願して装着したはずなのに、しめ縄が原因で危険を招いたら本末転倒だ。
日本の伝統を守ったり愛車の無事故を願う気持ちは大切だが、取り付ける際はセンサー類の作動をジャマしないか、そして基本中の基本としてナンバープレートが隠れないかも注意すべし。