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マン振りしたけど歴史的三振! 知る人ぞ知るホンダ「ロゴ」の功罪とは

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業

トランスミッションはCVT&AT、MTの3タイプを設定

 トランスミッションは当時ではまだ一般的な5速MTと高容量トルクコンバーターのロックアップ機構付き3速AT(以下、AT)、そして現在主流であるCVTのホンダ・マルチ・マチック(以下HMM)を設定。このCVTは湿式多板クラッチの採用により、トルクコンバーターATのようなクリープ現象を発生させ、駐車の際や渋滞ではATと同じ操作感覚で扱えることでHMMの普及を広めた。

 当時、カタログ燃費をさほど重要視していない時代だったが、10・15モード燃費は5速MTが19.8km/L、3速ATが17.2km/L、HMMは18.0km/Lと優れた数値を叩き出した。また、HMMにはいち早くモード切り替えスイッチがステアリングに付き、燃費モードのDRIVEとスポーティなSPORTが備わっていた。HMMステアリングスイッチ

 サスペンションはフロントがストラット式で後輪には車軸式を採用。ボディサイズは5ナンバーサイズながら全幅1645mmに設計され、フロント1425mm、リヤ1400mmはそれぞれワイドで、大型バンプストップラバーを採用。エンジンマウントはこのクラスには奢った液体封入式3点マウントとしたことで、騒音振動にも優れており、ボディには多くの消音材が用いられるなど、ホンダが久しぶりに投入するコンパクトカー(ホンダの呼称はタウンカー)には魅力があふれていた。

 また、Sキットと呼ばれるスタイリッシュ仕様がHMM仕様の一部に設定された。センターアンテナやフルカラードバンパー、175/70R13タイヤ&アルミホイールなどが備わり、3ドア、5ドアの「G」「L」グレードにはLSDがオプション装着できるなど(5速MT車は除く)、スポーティな走りも期待できる仕様となっていた。

力作となるはずだったが販売台数は思いのほか伸びず……

 1996年発売のロゴは3ドアが10月発売、5ドアが11月発売の全店舗取り扱い車種であり、シティ以来のコンパクトカーゆえに力が入ったモデルだったと思う。1997年には助手席エアバッグも標準装備の特別仕様車「ラシック」を販売し、1998年には、福祉車両の助手席回転シートや車いす収納装置を備えた介護車を設定。ロゴ ラシック(3ドア)

 1998年末にはマイナーチェンジで、サスペンションのセッティングの見直しやボディ構造を含めた多くの安全装備の標準装備化などが図り魅力を向上させた。4WD仕様やスポーツタイプ「TS」という91ps/6300rpm、11.6kg-m/4800rpm仕様の16バルブ・エンジンモデルも発売。同時にインテリアも改良が施された。

 モデル末期の1999年には特別仕様車の「スポルティック」が登場。2000年にもマイナーチェンジが行われて、新しいフロントマスクやインテリアのメタリックセンターパネル、本革巻きステアリング、ローダウン仕様のサスペンションなどの改良がなされた。 ロゴTSスポルティック

 ところが、おそらくロゴはホンダが望むほどの販売台数を達成できなかった。それは1998年に派生モデルといえるハイト系の「キャパ」とSUVの「HR-V」が登場したからであろうし、何より走りがイマイチだったのも理由かもしれない。ホンダがタウンカーとカテゴライズしていたのだから、中高速域の話をするのは的外れかもしれないが、首都高で流れに乗って走る際はなんとも心もとない印象。もうすぐ21世紀になろうというのに、この走りでは……。後年、スポーティな仕様が追加されて改善されるも、発売当初は高速走行を苦手としていた。ロゴ スポルティック(5ドア)

 また、チープな表現で悔しいのだが「オーラ」がなかったのもヒットにつながらなかった理由のひとつと言える。クルマに乗り込む前の普段は意識しない高揚感や、運転しているときに気持ちよさと満足感が足りなかったのかもしれない。

使いやすく用途が広い4人乗りハッチバックボディのEVをリース販売

 もっとも、1997年にはこのロゴをベースとしたようなモデルの「EV Plus」をリース販売した。長年にわたり排ガス性能で世界をリードしてきたホンダだが、ニッケル水素電池を搭載した専用設計のEVを登場させたことは驚きのニュースとなった。日本や北米の安全基準をクリアした安全性をもつ。当時は最先端のプロジェクター式ヘッドライトの採用や、BEV必須のエアコンとなるだろうヒートポンプ式エアコンなど、基礎研究のモデルとして大活躍。ロゴEV Plus

 ロゴの販売終了後にフィットが登場したのはご存じの通り。画期的なセンタータンクレイアウトで大ヒットモデルとなるのである。ホンダは転んでもただで起きないのか、それとも計算づくなのか、わからないことだらけながら、ホンダなら何か新しいことをやってくれるのではないかと、やはり期待してしまう。

■ホンダ・ロゴ 3ドアL(GA3型、CVTモデル)主要諸元

◯全長×全幅×全高:3750mm×1645mm×1490mm(Sキット1525mm)

◯ホイールベース:2360mm

◯トレッド 前/後:1425mm/1400mm

◯車両重量:850kg(Sキット860kg)

◯乗車定員:5名

◯最小回転半径:4.6m(Sキット4.8m)

◯室内長×室内幅×室内高:1705mm×1330mm×1205mm

◯エンジン: D13B型 直列4気筒SOHC8バルブ

◯総排気量:1343cc

◯最高出力:66ps/5000rpm

◯最大トルク:11.3kg-m/2500rpm

◯サスペンション 前/後:ストラット式/車軸式

◯ブレーキ 前/後:ディスク/LTドラム

◯タイヤサイズ 前後:155SR13(Sキット175/70R13)

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