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「ハミタイ防止」「ルックス向上」だけじゃない! オーバーフェンダーを装着する理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ボディからはみ出したタイヤを収めたり傷防止にも役立つ

 昔はチューニングしたスポーツカーの定番アイテムだったが、最近はSUVでもスタンダードになったオーバーフェンダー。要は純正フェンダーに被せてボディの幅を広げるパーツだが、装着するメリットやスポーツカーで流行った理由は何なのだろうか。まずはオーバーフェンダーがなぜ必要なのかを考えてみたい。

太いタイヤを収めるために装着した

 やり過ぎは逆効果になる可能性があるものの、クルマのコーナリング性能を向上させるには、タイヤのグリップ力を高めるのが効果的だ。またエンジンをチューニングしてパワーアップした場合、純正サイズのタイヤではグリップが足らず、せっかくのハイパワーを活かし切れなくなる。幅広タイヤを装着しているイメージ

 対策として誰もが思い浮かべるのは太いタイヤを履かせることだが、今も昔も保安基準ではタイヤとホイールがフェンダーからはみ出てはならない。そのため、オーバーフェンダーでボディの内側に収めたのがそもそもの始まりだ。オーバーフェンダーを採用したイメージ

 純正フェンダーを加工してワイド化させる方法に比べれば手軽だし、1970年代のレーシングカーも同様の手法でワイドタイヤを履かせており、オーバーフェンダーは『高性能の証』と考えられていた。以降はスポーツカーだけに限らずセダンやミニバンなどにも人気は波及し、出幅を抑えて純正のボディラインを維持するシンプルな製品から、思い切りワイド感を強調した大胆なボディメイクまで多種多様だ。

ボディ幅の拡大が20mm以上だと構造変更の申請が必要になる

 オーバーフェンダーの利点は上で書いたとおり。では逆にデメリットとしては何があるのだろう。ボディ幅の拡大が20mm以上だとタイヤとホイールがはみ出ていなくても、継続による車検を通すことができず構造変更の申請が必要になる。オーバーフェンダーを採用したイメージ

 また装着には純正フェンダーのカットを伴うので、元に戻すのは困難だし錆の対策も欠かせない。ホイールのサイズ選定も車種ごとのセオリーが通用しなくなるし、広げたトレッドに合わせて足まわりも再セットアップするべきだ。

 走りを考えないドレスアップ車両ならともかく、サーキット走行をメインと考えているのであれば、スプリングのレートなどを含めて見直したい。

少しだけはみ出してしまったタイヤとホイールにはフェンダーモール

 なおココで説明したのは装着に際し加工が必要な、いわゆる汎用タイプのオーバーフェンダー。車種ごとに設計された純正フェンダーと交換するタイプも、幅が広がっていれば「オーバーフェンダー」のひとつだ。フェンダーモール

 いっぽうで貼り付けるだけの「フェンダーモール」は、少しだけはみ出してしまったタイヤとホイールを、構造変更を受けずにボディの内側に収めることが目的。保安基準に適合した片側10mm以下の製品が多い。フェンダーモールを採用したイメージ

SUVが純正でオーバーフェンダーを採用する意味は傷や汚れに強いから

 続いてSUVが純正でオーバーフェンダーを採用する意味とは。とくに近年はボディ同色ではなく未塗装の樹脂製が主流となっており、最大のメリットは金属に比べて傷や汚れに強いことだと思われる。砂利道で跳ね上げた石や狭い林道で木の枝に接触しても、目立つ傷にはならず交換するにしろ金属製より安価だ。純正でオーバーフェンダーが採用されている

 ルックスの面ではSUVらしいワイルドさや武骨さが強調され、純正だけにバンパーやサイドステップとのマッチングもいい。唯一の難点は紫外線や高温による色褪せというか白化。せっかくの精悍なイメージが安っぽくなってしまうので、樹脂パーツ用のコーティング剤などを使って維持しよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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