日産ルネッサ
まず、日産ルネッサ(1997年)。じつはこのクルマは同年の東京モーターショー会場で華々しく発表された。しかもソニー製リチウムイオン電池を搭載し、一充電走行距離230km(当時の10・15モード社内測定値)のEVが設定されたほか、FCVの走行実験も行っていた。
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トヨタ・オーパ
一方で、じつは個人的には非常に独創的でいいと思えたものの、今回の記事のテーマに合致する“資格”を有していたのが、トヨタのオーパ(2000年)やナディア(1998年)など。オーパの車名はポルトガル語で驚きを表わす感嘆詞から来たもので、5名乗りながら「これはポストセダンの呼び声が高いのではないか!?」と思えた独創的でクールなスタイル、快適な室内空間と乗り味が特徴だった。
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トヨタ車では初めてCVTを使うなどのチャレンジも見逃せない。だが、決して台数が出たクルマではなかったのは、日本式のクラスや分類にハマり切れなかったためか?
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トヨタ・ナディア
同様にナディア(1998年)も、「2013年登場のシトロエンC4ピカソはソックリだったじゃないか!」と声を大にしたかったほどのクルマ。
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当時のミニバン、イプサムをショートボディ化、とはいえ前後シート間は1020mmとゆったりと取られ、イプサムと同じ660mmの運転席座面高で視界も良好、乗り降りもしやすくて取り回しも楽な手ごろな乗用車だった。
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だが、3列シートではないところが、多くのファミリーに訴求しきれなかったのかもしれない。
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