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5代目は最新技術テンコ盛りで勝負するも消滅! 最後のプレリュードってどんなクルマ?

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/Auto Messe Web編集部

ATモデルには新開発のシーケンシャルスポーツマチックを搭載

 組み合わされるトランスミッションは、マニュアルモードを備えた新型ATのSマチック(シーケンシャル・スポーツマチック)をMT車を除く全車に採用。D4レンジから右のシーケンシャルモードにセレクトレバーを引き込むと、レバーの前後方向の操作によるシフトチェンジが可能で、新開発のフルダイレクト制御ATによってスポーティな走りを味わうことができた。SマチックAT

 このフルダイレクト制御ATは、従来はひとつのデバイスでエンジン出力の制御を行っていたのに対して、すべてのクラッチ操作を個別の高性能リニアソレノイドで直接制御している。プログラムもAT用コンピュータの容量と処理速度をアップさせ、Dレンジでのスムースな変速、マニュアルモードでの変速速度を向上。ゲート式ATであることも加わり、ATであっても左手を駆使して操る楽しさを追求していた。

歴代モデルに引けをとらないホンダ独自の技術力を5代目モデルにも投入

 プレリュードの歴代モデルを振り返ると、初代プレリュード(1978年発売)は都会的な2ドアで、日本初の電動サンルーフを採用。2代目(1982年発売)はリトラクタブルヘッドライトによる斬新なデザインと4輪ALB(ABS)を搭載、次世代スペシャリティカーとしてのポジションを確立した。3代目(1987年発売)は全グレードを2L化し、世界初の4WSの採用で高い商品性でマーケットを拡大。4代目(1991年発売)は、VTECを筆頭に全車2.2LDOHCエンジンを搭載したほか電子制御4WSを採用するなど、生体感あるフォルムで新しいスペシャリティカーの在り方に挑戦した。3代目プレリュードのフロントスタイル

 そして5代目の開発コンセプトを要約すると「洗練された大人の感性をも魅了するクーペであり、ホンダのテクノロジーを結集した」と記されている。5代目プレリュードSiRのフロントスタイル

 この5代目の魅力は、まずスタイリングから見ると端正なノッチバッククーペを目指している。「ライト&シャドウ」をテーマとしていただけあって、低い車高ながら広いガラス面積と各ピラーのデザインを見直し、開放感が感じられる室内空間にこだわった。また、シャープで張りのあるサイド面の構成と直線的なショルダーライン、大光量フリーフォームリフレクターヘッドライトもあって、車内からの視界と外から見た太陽光の下でのクルマの美しさと視認性にこだわり、日本的な美を追求していたと言える。

2ドアクーペだからという妥協を許さない快適な居住性も魅力であった

 インテリアも操作系を洗練させたほか、ツートーン仕様も用意してプレリュードらしさを取り戻した。特筆すべきは、4代目に対してボディ幅を15mm減としながらも、ホイールベースを35mm延長したことで着座位置のゆとりとヘッドクリアランスを高め、視認性を向上。2+2のクーペながらタイトな居住空間を強いることのない優れたパッケージングも魅力であった。5代目プレリュードSiRのインテリア

 操作系は黒で統一された上部に集約され使いやすさを優先したほか、下部及びシートには赤と黒のツートーンや黒+黒のワントーンタイプも用意。木目パネルのほかカーボン調パネルも設定され、ラグジュアリー仕様とスポーツ仕様が選べるようになっていた。

 また、ステアリングはエアバッグを備えるも、その存在を意識させないスポーティな3本スポーク式を採用。フロントシートはサポート性に優れながら快適な乗り心地も考慮され、サイドにはカプロン材と呼ばれる特殊ウレタンを独自に加工した素材の採用により、適度な伸縮性としなやかさを両立。もちろん耐摩耗性や摩擦にも強いシート表皮は滑りにくいものであった。5代目プレリュードのフロントシート

 快適装備はクルマのキャラクターゆえに多くはないのだが、走りにもつながるドライビングポジションが最適になるように、運転席には25mmのハイトアジャスター機能を装備。運転席はもちろん、各乗車位置で快適な居住空間がしっかり確保されていた。

 ユーティリティ性能についても、積載性はもちろん先代比+200mmの開口部をトランクに採用。分割式ではないものの後席を可倒させることで長物が積めるようになっており、復活した伝統のサンルーフはガラスのアウタースライド方式で、開いたときでもヘッドクリアランスが狭くならない構成だった。初代プレリュードからの伝統を見事なまでに昇華させていた。

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