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「クラウン」が日本車を変えた! 純国産設計で「高級車」となった「トヨペット・クラウン」とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

豪華な装備に加えて進化と熟成を重ねて屈指の高級車に昇華

 装備が豪華なこともトヨペット・クラウンの大きな特徴でした。と言いつつもインテリアは華美ではなく、むしろシンプル。ドライバーの正面左手に大径のスピードメーターをマウントし、右手には長方形の集合メーターを配した特徴的なレイアウトを採用していました。

 デビューから11カ月後の1955年12月には、デラックス(RSD型)が追加設定されています。真空管式のカーラジオやヒーター、電気時計などが装備され、圧倒的な豪華さを演出し、まさに“夢のクルマ”。ちなみに、グレード名であるデラックス(De Luxe。仏で高級とか豪華の意)は、昭和30年代初頭に流行語として広く使われるようになっています。

 一方、RSD型は、外観的にはホワイトリボンタイヤや小型のフォグランプが追加装着され、またフロントウインドウがRS型ではセンターの細いピラーで二分割されていたものが、RSD型ではワンピース・タイプに変更されていました。

 その後も1957年にはエンジンを改良し、R型/1453ccのまま62psにパワーアップし、型式はRS/RSD型からRS20型に移行しています。小型乗用車規格の中で最大のエンジン&ボディでスタートしたトヨペット・クラウンでしたが、1960年には規格改定があり、小型乗用車のエンジン排気量は1500cc以下から2000cc以下へと改変されています。トヨタではこれに呼応するようにエンジン排気量をR型の1453ccから1897cc(88.0mmφ×78.0mm)に拡大した3R型/最高出力は90psを開発し搭載。型式的にはRS21型に移行しています。トヨペット・クラウン 高級車というとモータースポーツとの関連はイメージしづらいのですが、クラウンはさまざまなモータースポーツや耐久ランに挑戦しています。最初に海外遠征を行うのは1956年のこと。これは競技ではなくロンドンから東京まで5万kmを走破するというもので、4月にロンドンをスタートし8カ月後、無事に東京に辿り着いて無類の耐久性・信頼性をアピールすることになりました。

 翌1957年にはオーストラリア大陸を一周、全走行距離が約10000マイル(約1万6000km)という世界最長にして、もっとも過酷な自動車競技として知られていたモービルガス・ラリーに出走。参加102台中50台がリタイアする中、近藤幸次郎/神之村邦夫組のクラウンは完走52台中47位、海外からのエントリーでは11台中3位で外国賞を受賞しています。度重なる“カイゼン”に加えてモータースポーツでも鍛えられたクラウンは、こうして屈指の高級車に育っていったのです。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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