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いま見ると超絶カッコイイ「クラウン」はなぜ当時不人気だったのか? 「クジラクラウン」を今こそ見直そう!

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: トヨタ自動車/原田 了

高級・豪華路線をまい進するも……

 それまではスーパーデラックスが最上級グレードでしたが、この4代目ではさらに上級のスーパーサルーンがラインアップされています。またリヤシートに電動リクライニング式のセパレートシート仕様がオプションで選べるようになっていました。

 さらにデビュー3カ月後には2563cc(ボア×ストローク=80.0mmφ×85.0mm。最高出力は130ps)直6 SOHCの4M型エンジンを搭載した2600スーパーサルーンを追加設定。1年半後には4Mを搭載した2600スーパーデラックス、2600デラックスを追加するなど、高級/豪華路線を突き進んでいくことになるのです。トヨタ・クラウン(4代目)

 しかし、マーケットでの苦戦は続きました。そこで1973年10月にはスタイリングにも改良のメスが加えられ、前後のカラードバンパーをメッキバンパーに交換するなど大幅なフェイスリフトが実施されました。またスポーティグレードのSLにポルシェ・タイプの5速MTを用意してエンジンもパワーアップ。

 さらに1974年の1月には2L仕様のスーパーサルーンとSLに電子制御式燃料噴射(EFI)システムを採用したM-E型エンジン(排気量は1988ccで最高出力は135ps)搭載モデルをラインアップに追加しています。しかし、こうしたさまざまなテコ入れ、いやトヨタ流の“カイゼン”も人気を復活させる特効薬とはなりませんでした。その結果、4代目クラウンは、3年8カ月の短期間でモデルライフを終え、後継の5代目に座を譲ることになったのです。

 しかし今振り返ってみると、4代目クラウンが不人気だった理由が今ひとつ納得できません。デザインの好き嫌いは十人十色。また時代背景というかトレンドもあると思うのですが、個人的にはハードトップのデザインは格好いいと感じています。

もしレースに出ていれば……

 クラウンといえば2代目のS40系が鈴鹿サーキットで1963年に行われた第1回日本グランプリのサポートレース、2L以下のツーリングカーによるCⅣレースに参戦し、多賀弘明選手が優勝を飾っていました。

 また3代目のS50系は、参加台数こそ多くはありませんでしたが、ストックカーレースで活躍しています。とくに初代センチュリー用のV8プッシュロッドの2981cc(ボア×ストローク=78.00mmφ×78.0mm) 3V型エンジンを搭載したハードトップが、トヨタのワークスドライバーである蟹江光正選手のドライブで参戦。

 圧倒的多数を誇る130型セドリック勢を相手に回し、1970年の11月に富士スピードウェイで開催された全日本ストックカー富士200マイル・レースでは王者・鈴木誠一選手のセドリックに次ぐ2位入賞を果たしていました。

 そしてこうした好成績以上に、その雄姿は印象的で記憶に残る1台でした。今更ですが、4代目クラウンも格好いいハードトップがあったのですから、3V型エンジンを搭載して出場できていれば……、と個人的には思えてなりません。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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