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フェラーリ初のSUV「プロサングエ」登場! 知られざる「4人乗り跳ね馬」の系譜をすべて解説します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Ferrari S.p.A./Courtesy of RM Sotheby's/武田公実

「456GT」「GTC4ルッソ」と連なってきた4シーターV12

 そして、365GT4 2+2のデビューから20年の時を経て、旧態化が否めなかった4シーターV12フェラーリのイメージを一変させたのが、412の生産終了から約3年後となる1992年に登場した「456GT」である。それまでの4座席モデルは、どちらかと言えば2シーター版の先進技術を後追いで踏襲したコンベンショナルなモデルだったのだが、456GTはトランスアクスルのレイアウトやアルミ製ボディ、2600mmのホイールベースがもたらすアジリティなど、先進性やスポーツ性を明確に打ち出していた。

 また新開発の65度V12・5.4Lエンジンは当時のフェラーリでも最強となる442psを発生。最高速300km/hをゆうに超える高性能でも世界を圧倒した。

 この方向性は2004年にデビューした「612スカリエッティ」でも継承。フェラーリでは初となるアルミ製スペースフレームや高度な電制システムなどを採用した。またその後継として2011年に誕生した「FF(フェラーリ・フォー)」、および大幅改良版となる「GTC4ルッソ」では、通常のディファレンシャルを廃した画期的な4WDシステムも採用。このシステムが、このほど発表されたプロサングエの礎にもなっているようだ。

V8搭載の4座モデルたちも魅力的だった

 ところで、4座席フェラーリと言えば忘れてはならないのが、V8モデルたちの存在である。1973年に「ディーノ308GT4」として誕生したV8ミッドシップ/2+2の系譜は、1976年から正式にフェラーリのブランドに組み込まれたのち、1980年には「モンディアル」にモデルチェンジ。たび重なる排気量拡大やエンジンの縦置き化、カブリオレの追加などを経て1993年まで生産された。

 そして、V8エンジンと2+2の伝統を21世紀に復活させることになったのが、2008年にデビューした「カリフォルニア」である。その系譜はターボ化された「カリフォルニアT」と進化版の「ポルトフィーノ」、そしてクローズドクーペの「ローマ」にも継承。さらにGTC4ルッソをFR化し、V8ツインターボを搭載した「GTC4ルッソT」も用意された。

幻に終わった4ドアセダン「フェラーリ・ピニン」

 蛇足ながら、「プロサングエ」はフェラーリ史上初の市販4ドアモデルとなったことでも話題を呼んでいるが、じつは1980年にピニンファリーナ創業50周年記念コンセプトカーとして製作された4ドアセダン「フェラーリ・ピニン」は、マラネッロでも生産化についてもかなり真剣に検討されたと言われている。もしそのプロジェクトが実現していたら、プロサングエは史上2代目の4ドア・フェラーリとなっていたのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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