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死ぬまでに一度は訪れたい「フェラーリ・マラネロ博物館」とは? 最新2022年の展示車両を一挙紹介

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

レーシングカーとロードゴーイングの境界線が明確でないスーパースポーツも数多く展示

 来シーズンは世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリー=ハイパーカーに参戦することを表明していたフェラーリは、先ごろ、その主戦マシンとなるフェラーリ499Pをお披露目しています。スポーツカーによる世界選手権のトップカテゴリーにフェラーリが参戦するのはフェラーリ312PB/73で戦った1973年以来、じつに50年ぶりのこととなり、多くのファンから注目を集めることになりました。

 F1GPでの活躍にスポットの当たることが多いフェラーリですが、そんなフェラーリが初めて、創業者の名を冠したクルマをリリースしたのは1947年のこと。1.5L V12エンジンをフロントに搭載したレーシングスポーツの125Sで、3台のみが製造されています。125Sとしてのレース活動を終えたのちに、ほかのモデルにコンバートされたため、現存するモデルはありませんが、フェラーリが自ら当時の図面を参考にしてレプリカモデルを製作。普段からフェラーリ・マラネロ博物館に展示されています。

 F1GPマシンと違ってスポーツカーは、レーシングモデルとロードゴーイングモデルの境界線がはっきりしていません。フェラーリの場合は1967年に登場したディーノ206GTまではロードモデル=V12エンジンという不文律がありましたが、レーシング仕様はそのカテゴリーのテクニカルレギュレーション(車両規則)でエンジンのシリンダー数などを決めていました。例えば1954年にデビューしたフェラーリ750は3Lの直4エンジンを搭載しています。

 前年から始まった世界スポーツカー選手権に向けて開発された750は、1953年に続いてフェラーリにWSCの2連覇をもたらすことになりました。デビューレースのモンツァでマイク・ホーソンとウンベルト・マグリオーリが見事な1-2フィニッシュを飾ったことから、Monzaの愛称を得たのは有名なエピソードです。

 1961年の156F1から2年遅れの1963年には、スポーツカーにもミッドシップレイアウトが採用されています。これは市販モデルのフェラーリ250LMでしたが、市販モデルとは言うもののほぼレース専用の“マシン”でした。市販するために敢えてV12を搭載したとは穿ちすぎでしょうか。

* * *

 最後になりますが、ロードゴーイングのフェラーリももちろん数多く展示されています。先にも触れたようにスーパースポーツカーに特化したフェラーリだけに、レーシング仕様とロードモデルとの境界は、線を引きづらいところもあるのですが、1984年に登場したフェラーリ288GTOはロードモデルもあったと記憶しています。もちろん、GTOの名が示す通りGTカーのホモロゲーションを取得するために開発されているのでロードモデルが存在したのも当然ですが……。

 その288GTOの後継が、国内レースでも活躍していたフェラーリF40でした。これはフェラーリの創立40周年を記念したモデルでもあります。さらに1995年のフェラーリF50、そして2002年のエンツォ・フェラーリへと続いていきました。

 この辺りになると、もうアナザーワールドで、それがレース専用モデルなのかロードゴーイングカーなのか判然としないところも出てきますが、フェラーリ・マラネロ博物館のような博物館で出会う限りはプライスタグやパフォーマンスデータを気にすることなく1台のクルマとして見つめることができます。それも博物館行脚の大きな魅力と言えるでしょう。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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