女王の即位70周年「プラチナ・ジュビリー」を締めくくるラグジュアリーラリー
わが国でも近年は、コマ図を使ったヒストリックカーのラリーが盛んになって、全国の様々な団体で行われており、コンセプトもじつに多彩。ほんの10年ほど前までは、日本ではラグジュアリーなラリーイベントは珍しかったものだが、2014年に「THE GREAT BRITISH RALLY」(以下GBラリー)というイベントが開催された。英国製ヒストリックカーで、エントラントの集合スタート地点が駐日英国大使館という前代未聞のラリーイベントは、これまで伝説のように語り継がれてきた。
2014年に第1回が行われた英国車だけの華やかなラリー
2014年のGBラリーを企画したのは、東京青山にあるBLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)株式会社。南青山にある旗艦店「ヴァルカナイズ・ロンドン」にて英国のラグジュアリーブランドを扱う同社代表の田窪寿保氏は、航空会社勤務時代に英国で購入し個人輸入したロータス「エラン」を30年来の愛車としており、ヒストリックカーレースには、レーシング仕様のロータス「エリート」で参戦するなど、じつはマニアの間ではロータスフリークとしても知られた存在である。
そんな田窪氏と、ヒストリックカーを使ったイベント運営には幾多の実績があるガレリア・アミカ代表の岡田邦雄氏がジョイントすることで、それまでなかった華やかなヒストリックカーラリーが生まれたのだった。
2022年は女王への追悼と新たな英国への希望をこめて開催
この華やかなラリーイベントは、10年に1度のイベントとして2024年に第2回を開催予定であったが、2022年はエリザベス女王陛下が即位70周年「プラチナ・ジュビリー」を迎える記念すべき年ということで、予定を2年前倒して準備を進めていた。ところがそんな矢先の9月8日、エリザベス女王崩御という衝撃的なニュースが世界を駆け巡る。
いったんは喪に服し全てが白紙となるかと思われたが、エリザベス女王を追悼するとともに、チャールズ新国王の新しい時代の英国の幕開けを祝うために、開催することを決定。英国文化を愛するヒストリックカーオーナー、そして古き良き英国文化へのリスペクトと、新たな英国への希望をこめて、新旧すべての英国車を参加対象とした第2回目のGBラリー開催が決定したのだった。