元祖カントリージェントルマン、秩父宮殿下を偲ぶ
富士スピードウェイホテルでの優雅なひとときを過ごしたエントラント。2日目最初の目的地は秩父宮記念公園だ。秩父宮殿下が戦中戦後の時期を過ごされた御殿場別邸であり、当時の生活の雰囲気を残した母屋、移築された車庫には元祖カントリージェントルマンというべき秩父宮殿下の暮らしぶりがパネル展示されている。広い園内を散策したエントラントは特別に野点を楽しむなど、園内でのひとときを満喫していたようだ。
ちなみに秩父宮殿下は、1927年に日本に初めて輸入・登録されたアルファ ロメオである「RL」をかつて所蔵されていた(東京大空襲で焼失)。この日はエントラントT氏の愛車、1928年製インヴィクタを車庫前に展示させていただき、エントラントの記念撮影場所とした。
ゴールは華やかな横浜・みなとみらい
エントラントは御殿場から箱根へのルートを楽しんだ後、3つのグループに分かれてランチタイム。この秋一番の見ごろである仙石原を経由し、芦ノ湖周辺を周遊してからGBラリーのゴール地点となる大磯ロングビーチへ。
約半世紀前からジムカーナ競技が行われるなど、モータースポーツとも縁の深いこの場所では、GBラリー2度目のPC競技が行われた。競技を終えたエントラントは、そのままコースを進むとフィニッシュゲートでチェッカーフラッグを受け、2日間にわたったGBラリーは終了。
表彰式の会場である最終地点は、英国と日本の玄関口となった港町・横浜だ。エントラント一行は一路みなとみらいへ駆けつけ、人出の多い横浜の土曜日の夕刻、現れた英国車たちに観光客も足を止めてその一団を見守った。
ライティングにより盛り立てたインターコンチネンタルホテル大広間に集まったエントラントたちの顔は、特別な2日間を走り切った喜びの表情に包まれていた。ラリーPC競技の結果による表彰式に続き、抽選にて選ばれる協賛メーカーからの豪華景品の数々に、名前を呼ばれたエントラントは歓喜の声を上げるのだった。
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たくさんの笑顔の中、エリザベス女王陛下即位70周年のプラチナ・ジュビリーという記念すべき年に行われた第2回目のGBラリーは閉幕。駐日英国大使館に始まるラグジュアリーな2日間のツアーは参加者のみならず、わが国での自動車文化のひとつとして、これからも語り継がれることだろう。