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オバフェン武闘派マツダ「ファミリア」があった! ランチア「デルタ」に負けない迫力の「ファミリアSPORT-4」とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

コンセプトは「操る楽しさを純粋に追求したオンロード・ファイター」

 ファミリアSPORT-4のルックスは過激なまでに“戦闘的”でしたが、もちろん中身も十分に“戦闘的”でした。エンジンはベースモデルと同様に1.8Lの直4ツインカム16バルブ+ターボですが、大型のターボチャージャーに交換するとともに、インタークーラーの搭載位置を最適化するなどチューニングを進めた結果、最高出力は220psにまでパワーアップされていました。

 サスペンションも、4輪ストラットタイプという基本デザインには変更ないものの、トレッドを拡大(1445mm/1435mm→1490mm/1495mm)するためにストラットと組み合わせるロアアームを20mm延長。ホイールを8J-16にサイズアップして225/45ZR16というワイドなPIRELLI P700-Zタイヤを装着しています。

 またブレーキに関してもアルミ合金製の対抗4ピストン・キャリパーとピンホール付きの大型ベンチレーテッド・ディスクを4輪に装着。4WDシステムのキモとなる駆動系は、バリアブル・トルクスプリットの前後トルク配分をベースモデルと同様の43:57として強力なトラクションとコントロール性を高い次元で両立させています。ラリー車のイメージが漂うインテリアは、機能を優先して適度にコンペティティブでありながらもスパルタンに過ぎない、程よいまとまり感が漂っていました。

 具体的にはベースモデルのダッシュボード・フレームを利用しながらも、メーターナセルにはドライバーの正面に2連の大径メーター(右に200km/hまで刻まれたスピードメーター、左には1万回転まで刻まれたタコメーター)が装着され、その左右には5つの小径メーターが配されており、まさに『操る楽しさを純粋に追求したオンロード・ファイター』のコンセプトを具現化させたインテリアとなっていました。

65mmも拡幅された全幅

 最後になりますがファミリアSPORT-4のスペックを紹介しておきましょう。まずボディサイズですが全長×全幅×全高とホイールベースはそれぞれ4070mm×1740mm×1460mmと2450mmでベースとなった7代目ファミリア4WDの3ドアハッチバック(4030mm×1675mm×1390mmと2450mm)と比べると、オーバーフェンダーによって65mmも拡幅された全幅の違いは明らかです。

 ただし重量的には1160kgでベースモデルと同じになっています。これは超軽量のカーボンファイバー(CFRP)製のボンネットなど、剛性を確保しつつ軽量化を徹底的に追求した新素材の採用が大きく関わっているようです。

 その結果、動力性能も高いレベルに引き上げられていて、0−400mの発進加速が14.0秒、0−100km/hの発進加速が6.0秒、そして最高速は220km/h(データはいずれも目標値)となっています。またこうしたコンセプトカーでは実走が不可能なモデルも少なくないのですが、ファミリアSPORT-4は実走も可能で、発表された直後には、さまざまな媒体でインプレッションが行われていたようです。現存するかは不明ですが、可能なら一度は乗ってみたいクルマに違いありません。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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