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トヨタ「2000GT」から「セリカ」や「スープラ」に受け継がれたものとは? トヨタのスポーツカーの原点を振り返ろう

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

レーシングマシンのノウハウが投入されたエンジン

 モータースポーツが盛んになりはじめた1960年代半ばから、自動車メーカーは、モータースポーツの場で技術の成果を競うようになった。サーキットを高速で走り、コーナーリングし、ハードブレーキングすることは、それまでの国内メーカーの技術レベルでは解決できない問題が露呈される。

 これらを解決することが量産車の走行性能の向上につながった。ディスクブレーキや冷却性能の高いラジエター、剛性の高いシャシー、接地性の高いサスペンションなど、現代ではあたりまえの技術も、この時代にノウハウが蓄積されていった。

 トヨタ2000GTには4輪ディスクブレーキをはじめ、4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンション、軽量なマグネシウムホイールなどレーシングマシンのノウハウが投入され、エンジンは直烈6気筒DOHCが搭載された。

 これを包むボディは、流麗な曲線を使用し、ロングノーズ・ショートデッキのフォルムが与えられた。エンジンをはじめとするメカニズム部分も職人ワザの丁寧な仕上げが施され、まさに欧州の一級スポーツカーと肩を並べるクルマとなっている。

 エクステリアのスタイリングデザインはいま見ても十分に美しく、当時のトヨタでは考えられない洗練されたものである。大型のドライビングランプをフロントグリルの両端に埋め込み、ヘッドライトをリトラクタブルとした大胆な発想は全体のシルエットを引き締めるだけでなく、走行時に発生する空気抵抗を考慮したものだ。大きなカーブを持ったフロントウインドウからリアピラーまでラウンドさせるグラスエリアは、後部で跳ね上がり、ドリップモールとつながる処理がされ、よりシャープな印象を与えている。

 リアにはハッチゲートが備えられ、2シーターボディのウィークポイントとなるラゲッジスペースの確保につながった。このリアにハッチゲートを設ける手法は、その後のトヨタのスペシャリティカー、セリカリフトバックやXX、スープラへと受け継がれたことはいうまでもない。トヨタがこだわるスポーツカーの原点、それはこの2000GTで間違いないだろう。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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