BMWのエントリーモデルとひと言で片付けられない魅力がある
ドイツを代表する自動車メーカーである「BMW」。コンパクトハッチバックからセダン、ワゴンにSAV(BMWはSUVをSAVと呼ぶ)、そしてスポーツクーペなど多彩なラインアップでクルマ好きを魅了している。
今回、AMW編集部でBMWの魅力を再認識するべくあらためて試乗し、部員4名それぞれの視点でリポートすることになった。話し合いの結果、チョイスした車両はコンパクトハッチバックの「1シリーズ」。グレードはディーゼルエンジンを搭載する「118d Play」である。
走ることやカスタマイズすることが好きという方であれば、真っ先に思い浮かべるのがBMW M社が手掛ける高性能モデルだろう。クーペはもちろんのこと、セダンやワゴン、SAVでもサーキット走行が可能なパフォーマンスを与えている。スポーティな専用エアロを身にまとい、所有する喜びを味わわせてくれる。
では、M以外はどうなのか? 118dのM SportではないPlayで、「駆けぬける歓び」を味わえるのか、カスタム好き目線も少しだけ織り交ぜながらリポートしたい。
1シリーズ本来の性能が味わえる「Play」
じつは筆者、今回の試乗を行う2週間ほど前、M4コンペティション M xDriveクーペのワインディング試乗企画のため、テスト車両をお借りして目的地までの往復を担当。しっかりとドライブする企画に恵まれていた。BMW Mが手掛けた本格モデルだが、本来の性能を10%も発揮できないような公道であっても、パワフルな走りを存分に楽しむことができた。
その直後にお借りすることになったのが、今回のディーゼルエンジンを搭載する1シリーズだ。正直、M Sportでもない普通のグレードで、どこまで楽しめるのか疑問であった。しかし、乗り込んで走り出した瞬間から、「BMW」らしい手応えを伝えてきたのである。
詳細なインプレッションは、第1回と第2回におまかせするとして、筆者はカスタム好き目線で細部をチェックしてみることにした。それならM SportやM135iを最初から買えばいいのに……というご意見はごもっともである。しかし、家族からのリクエストなど、スポーティなルックスはちょっと……。という人も多いハズ。あえての118d Playで、チョイ足し目線でリポートしてみたい。
スポーティなのに少々物足りなさを感じるインテリア
運転席に乗り込み、シートポジションを合わせる。当然バケットタイプではないのだが、適度にホールド感のあるシートはじつに快適だった。そして、BMWだと感じさせてくれるのが少々太めのグリップとなっているステアリングだ。体格の大きな筆者(180cm)は手も大きく、太めのグリップが好み。これは過去のモデルもそうだが、BMWは近年のモデルはとくに太めなので、個人的にはドンピシャだった。
カスタム目線で見れば、シートはもう少しだけホールド感があれば嬉しいなと思うのが正直なところ。それならM SportやM135iを買えばいいじゃないか、と言われてしまえばそれまでではあるのだが。どうしても気になるのであれば、M SportやM135iユーザーが社外品に交換した際に外したノーマルを譲ってもらうか、ストレートにレカロなどの社外品に交換すれば解決する。デザインもPlayはバケット風でもない普通のデザインなので、カッコよさもプラスしたいのであれば交換は必須だろう。
ステアリングは、M Sportではないが本革を採用している。非常にスポーティではあるのだが、ブラックのモノトーンで少々寂しい雰囲気。ステッチを変更などをすることで、シンプルなデザインにアクセントをプラスできるはず。Mカラーの赤や青を織り交ぜれば、車内の雰囲気が華やかになること間違いなしだ。
そのほかインパネも、センターのエアコン吹き出し口はシルバーのアクセントがあるのだが、それ以外はつや消しブラックでシンプルな仕立て。上級グレードのパネルなどを移植するのもアリだが、ここは好みのカラーのフィルムを貼るなどして、個性を出してみるのもいい。あえて白などボディカラーに合わせてみるもの良さそうだ。