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「クラウン」より高額だった「コスモスポーツ」はデザインもエンジンも革新的だった! マツダの情熱を振り返ろう

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

なめらかな回転と高出力が特徴だったロータリーエンジン

 10A型ロータリーエンジンについても、わずか1000cc程度の排気量でありながら、最高出力は110psを発生し、パワーピークも7000回転とまさにスポーツカーのエンジンとして打ってつけの高性能スペックであった。軽量コンパクトなだけでなく振動の少ないロータリーエンジン搭載のコスモスポーツの乗り味に誰もが魅了された。

 このエンジンは、なめらかな回転と高出力が売り物で、その良さはステアリングを握りアクセルを開けた瞬間、体に伝わってくる。スムースに回るエンジンは、アクセルをより踏み込むことでダイナミックな加速となり、ドライバーを心地よく刺激してくれた。新時代のスポーツカーとはこういうものである。そんな未来への道しるべとなる1台がコスモスポーツというクルマであった。

 1967年に登場したコスモスポーツは、2.2mのホイールベースを採用。このモデルを俗に前期型と呼んでいるが、その後すぐに改良が加えられ、ホイールベースを2.35mに延長した後期型が1968年に登場する。

 そして、エンジンにも改良が加えられ、搭載するロータリーエンジンは10B型・128psのものに換装された。この後期型ではフロントのラジエター開口部も大型化され、外観からも見分けがつきやすい。また、サイドウインカーも前期が丸型、後期が横長型といった違いもある。

 後期型は、たった1年の違いしかないが、よりパワフルなエンジンが与えられたことで、初期型よりも加速は鋭くなり、その性能向上に伴って、タイヤは前期型の155HR14インチから155HR15インチに変更され、ハンドリングもより一層高められた。

* * *

 苦労と苦悩を積み重ねる日々を過ごしたからこそマツダは強くなった。物づくりに対する熱い想い。この短い言葉にこそ深い意味がこめられ、その原点といえるのがコスモスポーツなのだろう。情熱のマツダスピリッツはこのクルマの誕生によって世の中に知れ渡ったといえる。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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