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次回作『ワイルド・スピード』劇中車「ヴェイルサイドFFZ400」がお披露目! どうして新型「フェアレディZ」を採用したか、横幕氏にインタビューしました

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

劇中車仕様を誰でも作れる

 カスタム界のレジェンド横幕氏のスピード感と躍動感を表現したボディデザインの神業が健在であることは写真からもわれわれに強く伝わる。しかも、工夫を凝らした点はデザインだけでなく、各セクションごとに装着しているパーツに関しては、すべて市販化キットとしてポン付け装着可能というから夢もある。

 これは、サン・カンとの話の中で出てきた「映画を通じて楽しんでもらいたいから」という想いの、ヴェイルサイド流の表現方法。あのムービーカーと同じ仕様のクルマを作って乗れるとなれば、クルマ好き、カスタムカー好きにとっては魅力的。それこそワクワクさせられる。かつてのRX-7 Fortuneモデルと同じく、今回もそんな楽しみをヴェイルサイド横幕氏はファンに提供してくれたわけだ。

 このボディキットは、ヴェイルサイドファン、そして、『ワイルド・スピード』の劇中車であるRX-7 Fortuneを知る人ならばピンとくる伝統的な作り込みとなっている。今回も武将が戦うために身にまとう鎧、甲冑をイメージしてデザインした。

 曲面や鋭く尖ったキャラクターライン、さらに、フェンダー連結部分となるアウタートリムに入れた「鋲」など、日本ならではの文化を表現するカスタム手法も健在だ。さらに、新たに魅せる技法として、このフェアレディZでは、その独特のルーフ形状を活かし、日本刀を彷彿させる刃文を描いたルーフモールを製作。大太刀に見立てた美しく輝くその形状にも注目してもらたい。

 パーツ構成は、フロントバンパー、サイドスカート、リアスポイラー、フロントフェンダー、リアフェンダートリム(フェンダー部+リアフェンダー部)、ボンネットの6点だ。伸びやかにシャープな印象を与えるフロントバンパーは150mmのロングノーズ仕様で、複雑な形状を作り出す片側10mmワイドフェンダーも含めてすべて完全ボルトオン可能な作りになっている。

 ワイド&ローのスタイルをアピールするサイドステップは、空力特性を考慮したディフューザー形状となり、リアには独特のフォルムを作り出す跳ね上げ延長トランクを製作。より流麗なクーペスタイルを表現する。また、このトランクには、かつてドラッグレース(0-400m)でその名を轟かせた時代を彷彿とさせるリアスポイラーを装備させているのがニクイ演出。チューニング好きが喜ぶ仕掛けといえるだろう。

【AMWのミカタ】

 今回のヴェイルサイドFFZ400は、これまで以上にジャパニーズカスタムカーであることを強く意識して作られているように感じた。紹介したパーツ以外にも、マフラーのインナーテール部にリブを入れ、それを日章旗として表現するフィニッシュを採用するなど、ヴェイルサイドならではの独特の発想によって強烈な存在感を放つマシンに仕上がっている。

 まさにあの噂の映画でハンが駆る「ヴェイルサイドFFZ400」の完成系。果たしてどのようなシーンに登場し、どんな活躍を見せてくれるのか楽しみである。2024年公開予定の映画がいまから待ち遠しい。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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