目から鱗の「吸気系パーツ」ぜひ試していただきたい

トヨタ「86」「GR86」／スバル「BRZ」の純正エアクリーナーボックスの後方に、こぶしほどの大きさの黒いパーツが装着されていることをご存じだろうか。エアクリーナーをボックスごと交換している人も多いので、その存在すら知らない人が多いかもしれない。ここに注目したのがエアロパーツメーカーのガレージベリーだ。形状やサイズを変更することで、パワーチェックで6〜10psアップ。実際に運転してみてのフィーリングは、数値以上の変化を感じることができた。

チャンバーの仕組みをインテークのプロから伝授

ガレージベリーの中根社長から連絡があった。「つくりたいパーツがあるからザッカー編集部の86を貸してくれない？」という内容。そのときはインテーク系のパーツとだけ聞かされて、工場にクルマを持っていくとシューズキーパーを大きくしたようなパーツが用意されていた。

パーツを見ただけだと分からなかったが、説明を聞くと純正エアクリーナーボックスの後方に付属しているチャンバー部を変更してパワーアップさせるというパーツのようだ。

純正は、エアクリーナーボックスの後方、蛇腹状になっている部分の手前に握り拳のようなカタチをしたパーツが装着されている。これがいわゆるチャンバー部になる。これまで、さまざまなインテーク系パーツを見てきたが、この部分を気にしたことはなかった。シリコン製エアインテークにする人も多いため、このチャンバー部を重要なファクターだと考えたことがなかった。

そもそもエアロパーツメーカーのガレージベリーが、なぜインテークパーツに興味を持ったのだろうか。

「レース関係者でインテークのプロフェッショナルの人との会話のなかで、86／GR86＆BRZは、チャンバーに仕掛けを加えるだけでパワーアップするよ、と教えてくれた。試しにGR86でプロトタイプを装着してみると、気温が低いときでしたがダイナパックでいきなり10馬力ぐらい上がったんです。このパーツは面白いと思って、先代86＆BRZ用も含めて本格的に開発することを決めました」

と、中根社長。それから、さまざまな大きさのチャンバーをテストしていった。これが不思議で、大きければ良いというものでもない。もちろん小さくても良くない。ベストなパワーを引き出すことができたのが、導入部分の写真の形状なのだ。

また、このパーツのポイントとしては、インテークのパイプ部には仕切り板が装着されている。純正エアクリーナーボックスの中央部にも仕切り板を装着する。チャンバーのカタチや大きさも大事だと思われるが、このふたつの仕切り板も重要なのだ。

これはあくまでも想像なのだが、エアクリーナーで取り込んだエアを、エアクリーナーボックスのなかの仕切り板で整流化する。そして一部のエアはチャンバー内に一度入って、さらに整流化されてエンジン内部へと向かって流れていく。そんなイメージだと想像する。