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フェラーリ「F40」が1200万! 最高速50キロの跳ね馬の正体は大人のおもちゃキッズカーでした。微笑ましいディテールを紹介します

フェラーリ「F40」が1200万! 最高速50キロの跳ね馬の正体は大人のおもちゃキッズカーでした。微笑ましいディテールを紹介します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

品定めのポイントは、本物のクルマと変わらない

メーカーの所在も明らかでなく、製作された数もごく少数。残存数はもっと少ないと思われるFレーサー・ジュニア。しかし、このチルドレンズ・カーがRMサザビーズ「Monterey」オークションに登場するのは、これが初めてというわけではない。

じつは昨2022年8月のMontereyオークションにも、1台のFレーサー・ジュニアが出品。「シャシー01」であることを示すプレートが貼られたことから、一定数が製作されたうちの第1号車、あるいはプロトタイプと推測される個体が出品されていたのだ。

2022年の出品車両であるシャシー01は、フェラーリでいえば「308/328GTS」のようなデタッチャブル(脱着式)トップを外したようなスタイリングで固定されていたが、今回の出品車両はトップの脱着により、ベルリネッタ/スパイダーの双方のスタイルを楽しめるように進化している。

2022年のMonterey 2022オークション出品に際しては、3万ドル~4万ドルというエスティメート(推定落札価格)を設定。最終的には11万4000USドル、当時の日本円に換算すれば約1250万円という恐るべき高価格でハンマーが落とされることになった。

そして2023年、Monterey 2023のFレーサー・ジュニアも、RMサザビーズ北米本社では現オーナーとの協議のもとに、同じく3万~4万ドルのエスティメートを設定していたのだが、2022年ほどには入札が進まなかったようで、落札価格は8万7000ドル。現在の日本円に換算すると、約1270万円に終わった。

現在の記録的な円安のため、日本円換算では2022年の個体と同等以上のものとなったのだが、USドルの元値では大幅な減額となったのは間違いのない事実と認めねばなるまい。

この理由として考えられるのは、2022年の個体がプロトタイプ要素もある第1号車だったという希少性のほか、2023年の個体に比べると内外装の仕立てが、かなり念入りだったことが挙げられよう。市販型の生産にあたってFRP型が変更されたという記録はないものの、2022年に出品されたシャシー01のディテールはよりリアルだったかのように記憶している。

Fレーサー・ジュニア

また特にインテリアについていえば、2023年の個体にはファブリック張りダッシュボードの毛羽立ちなどが比較的はっきりしているなど、使用感がありありと感じられる。

つまり、できばえやコンディションがオークションでの価格にも反映するという点においては、本物のクルマと変わらない。これは、現在の国際マーケットにおけるコレクター向けジュニアカー/チルドレンズ・カーの評価軸が、きわめて高度であることを示した端的な一例なのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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