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なぜ飲酒運転による事故が無くならない? 車を愛する者としてさらなる厳罰化を強く望みます!【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 写真AC

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飲酒運転により痛ましい事故がなくならない

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「飲酒運転」です。なくならない飲酒運転による悲しい死亡事故。しかし、それを厳罰化するような条例を制定している件はまだ少ないのが現状です。クルマを愛する木下アニキが甘すぎる飲酒運転への対応について思いを語ります。

※写真はすべてイメージです

千葉県は飲酒運転根絶に向けて条例を制定したが……

千葉県八街市で飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込み、5人が死傷した事件から2年がすぎました。千葉県はその悪質な事故をきっかけに、飲酒運転根絶を目的とした条例を施行したという。悪質なドライバーによる事故をなくすために前向きな姿勢を示したことは、まずは歓迎したいですね。

ですが、その内容を耳にして腰を抜かしかけました。飲酒運転の違反者やその疑いがあるドライバーを目撃したときには通報を求めるというもの。いまさら条例で定めなければならないことでしょうか。

タクシーや代行事業者に、通報する訓練をするように通達するという。わざわざ訓練することでしょうか。すでに自発的に行なっていることだと思いましたね。

また、通勤中に飲酒運転した場合、違反内容を勤務先に通達することにしたそうです。プライベートでの飲酒運転も同様に通達するとのこと。それは当たり前のことだと思っていたのですから驚きです。

違反者にはアルコール依存症に関する受診義務を課すそうです。アルコールを飲んで通勤するのですから、これは立派な犯罪者です。それが悪いことだと理解できないのでしたら重篤な疾患があるはずですし、理解しているのであればアルコール依存症の疑いが濃厚です。いまさら受診義務を課さねばならないことだとは思えませんよね。強制的に治療するべきですし、免許停止も当然なことのように思います。

しかも開いた口が塞がらないのは、この条例は全国統一ではなく、たった11県の条例だそうです。制定しているのは、北海道、山形、宮城、千葉、石川、三重、和歌山、岡山、福岡、沖縄です。それ以外の都道府県は、そんな軽微な条例ですら制定されていないのです。

福岡県は、常習的な飲酒運転により検挙された回数が2回になってはじめて、アルコール依存症の受診命令を出すとしています。和歌山県などはさらに甘く、5年以内の2回の飲酒運転違反者にのみアルコール依存症の受診を強いるというのです。

もっと厳しい対応をするべきだ

はっきりいって、飲酒運転で警察の世話になれば、免許証に傷が付きますし、それなりの罰金や処罰が与えられたはずです。まともな人間ならば、もう二度と飲酒運転はしないと誓うはずですよね。ですが再犯してしまう。すでに飲酒歴があるのに5年のうちに2回も警察に捕まるというのは、おそらく常習ですよね。5年間に法を破ったのが2回ではなく、毎日飲酒運転をしていて、たまたま捕まったのが2回という意味です。立派なアルコール依存症です。

それをいまさら受診義務などという甘い条例にしているのが驚きです。しかも、たった11都道府県。そもそも飲酒運転違反を犯しても、免許証は取り上げられないのですね。つくづく警察の甘さに驚かされます。

もっと厳罰化はできないのでしょうか。功罪があるのでしょうか? 飲酒運転者に命を奪われたことの気持ちを思うと、甘い条例を作っただけで納得している警察のおざなりな対応にも怒りが込み上げてきますね。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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