出品車両は209番目に作られたモデル
P1の核となるのは、もちろんカーボンファイバー製のモノコックタブで、その重量はわずかに90kg。リアミッドには737psの最高出力を発揮する、3.8LのV型8気筒ツインターボエンジンとともに高効率モーターが搭載され、最高出力と最大トルクはエンジンが737ps、720Nm。エレクトリックモーターは179ps、260Nmというスペック。システム全体では916psの最高出力と900Nmの最大トルクを発揮できるほか、エレクトリックモーターのみによるゼロエミッション走行も10km程度ではあるが可能だ。
375台のP1は、わずか8カ月程度ですべてのモデルにオーナーが決まったとされるが、この出品車はその中で209番目に製作されたモデル。完成後にはロン・デニスとフランク・ステフェンソンのサインを得て、アメリカのマクラーレン・フィラデルフィアへとデリバリーされた。
ファースト・オーナーはこのモデルを約2年間所有するが、自らの母校であるローズ・ハルマン大学への寄付のため、現在のオーナーへと売却。あらゆる時代のハイパフォーマンスカーに造詣が深いセカンド・オーナーは、さらにこのP1に8万7000ドル(同968万円)を投じてサービスを依頼しているほか、直近では2023年9月に3万8116ドル(同564万円)のサービスを受けていることが、車両に添付されるドキュメントからも明らかになっている。
RMサザビーズ社は、このP1に200万~250万ドル(同2億9400万円~3億6750万円)のエスティメートを掲げてニューヨーク・オークションに出品したが、最終的な落札価格は209万5000ドル(同3億800万円)に落ち着いた。
これは新車からの走行距離が2700マイル(約4320km)と短かったこと。そしてファースト・オーナーとMSOによる細部に至るまでのこだわりが高く評価された結果と評してもよいだろう。マクラーレンP1、これからますますオークション・シーンでの注目度が高まりそうな1台だ。