現在までのオーナーはわずか4人
パガーニの手によるエクステリアデザインは、最初から欧州仕様、北米仕様のいずれにも適合させることを意識して進められた。結局アメリカの一部の州ではフロントの安全基準を満たすために5マイルバンパーの装着が必要とされたが、リアのバンパースポイラーは安全面でも空力面でも必要にして十分な機能を持ち合わせる。
25thアニバーサリーにはオプションでもリアスポイラーが設定されていないのは、デザイン初期には採用を考えたものの、パガーニ自身がカウンタックのファーストモデルであるLP400への回帰を意識した結果であったとされる。
このような経緯で誕生したカウンタック 25thアニバーサリーは、1988年9月から1990年7月までの間に657台が生産され、一連のカウンタックシリーズの中でも最大のヒット作となった。今回ボナムズ社がグッドウッド フェスティバル オブ スピードに併せて開催したオークションに出品されたモデルは、1989年7月31日にロンドン、メリルボーンのポートマン・ランボルギーニから最初のカスタマーに納車された個体。67台しか存在しない右ハンドルのヨーロッパ仕様である。現在までに4人のオーナーのもとで使用されてきた記録が残るが、前オーナーは20年以上にわたって25thアニバーサリーを所有。現在の走行距離はトータルでも1万7601kmを刻むのみだ。
もちろんメンテナンスもしっかりと受けており、そのコンディションはメカニカルな部分は当然のこと、標準装着されていたアルパイン製のオーディオに至るまで完全な状態を保つ。また最近実施されたメンテナンスには、クラッチ交換などのメニューが含まれているので、落札後はすぐに乗り出せる1台といっても間違いではないだろう。
注目のオークションでは、もちろん落札者は現れたものの、ボナムズ社ではその落札価格は明らかにしていない。最後のカウンタック、そしてこれほどのコンディションを考えれば、その数字はかなり大きなものと想像できるのだが。参考までにそのエスティメート(予想落札価格)は、35万ポンド〜45万ポンド(邦貨換算約6897万円〜8868万円)に設定されていた。





















































