駆動方式は全車2WDのみとなったレクサス IS
2025年1月23日、レクサスはスポーティセダンの「IS」を一部改良するとともに、「IS300h/IS300」に特別仕様車の「Fスポーツ モデル ブラックIV」を設定し、販売開始しました。一部改良のポイントは、3.5L V6エンジンを搭載した「IS350」と「IS300h」に設定されていたAWD車が廃止されたこと。このグレード整理は、クロージングに向けた動きなのでしょうか。
販売開始から12年が経過したスポーティセダン
2世代目となる現行型レクサス「IS」は、新世代レクサスのアイコンとなっているスピンドルグリルをフロントマスクに採用し、2013年に登場した。新生産技術を採用しボディ剛性を向上させたのをはじめ、新型リアサスペンションそして8速スポーツダイレクトシフトを採用し、意のままに操ることができる操縦性、走行安定性を実現。ISのDNAとも言える「気持ちの良い走り」と「スポーティなデザイン」をさらに飛躍させているのが特徴だ。
搭載するパワートレインは従来の3.5L/2.5L V6 DOHCに加えて、2.5L直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドモデル「IS300h」を設定。各モデルに4つの仕様を設定。スポーティバージョンのFスポーツは、専用デザインのエクステリアをはじめ、スポーツサス、専用スポーツシート、可動式メーターなどを装備し、高い人気を誇っている。
2015年7月に2L直列4気筒ターボエンジンを搭載した「IS200t」(2017年10月にIS300に名称変更)を追加し、このタイミングで2.5L V6エンジンが廃止となった。2016年10月にマイナーチェンジを実施し、サスペンションのロアアームをアルミ製に変更したのをはじめ、ショックアブソーバーも変更し、乗り心地を向上させた。加えて、先進の安全装備であるレクサスセーフティシステム+を全車標準装備としている。
2020年に内外装を大幅に変更
2020年11月には2度目のマイナーチェンジを行い、各パワートレインの最適化を行うと同時に内外装を大幅に変更。トレッド幅がワイド化された。なおボディサイズが変更となり、全長と全幅で各30mmずつ、全高で5mmそれぞれ拡大されている。
安全装備のレクサスセーフティシステム+はさらに進化し、プリクラッシュセーフティは交差点右折時に前方から来る対向直進車、右左折時に前方からくる横断歩行者にも検知が可能となった。高度運転支援機能のレーントレーシングアシスト(LTA)は、レーントレース性能の大幅向上やなめらかにレーン中央をキープする走行が可能となり、レーダークルーズコントロールは全車速追従機能付きに強化している。
さらに、LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合に音・表示・緩減速による警告でドライバーに注意を促し、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速・停車し、停車後にはドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請を行うことで、自損加害事故の回避及び事故被害低減の支援、早期のドライバー救命・救護に寄与するドライバー異常時対応システムも搭載され安全性が大幅に向上した。グレードは統廃合され、3.5L V6エンジンを搭載したIS350はFスポーツのみとなった。
2022年にはIS500 Fスポーツ パフォーマンスを追加
2022年にはインテリアのスポーツイメージを強化する一部改良を行うと同時に、最高出力481ps、最大トルク535Nmを発生する5L V型8気筒DOHCエンジンを搭載した「IS500 Fスポーツ パフォーマンス」を追加した。
AVSやEPSにチューニングを施し、フロントに加えてリアにもパフォーマンスダンパーを追加することで、ドライビングシーンに応じた優れた乗り心地と操縦安定性を実現している。また、ブレーキには大径ブレーキローターを採用することで制動力も向上させている。