345馬力を発揮する5リッターV12エンジンを搭載
そしてこの世代の2+2モデルの最終発展型となったのが、今回RMサザビーズのパリ・オークションに出品された「412」だ。そのボディスタイルは一見、前作の400iに等しいかのように思われるが、トランクラインをさらに高く設定することでトランクスペースを拡大、フロントエアダムも深くデザインされ、エアロダイナミクスをさらに向上させる策が講じられている。シルパネルのデザインも変更され、ボディ同色のインサートが装着されている。
搭載されるエンジンも、新たに5Lの(正確には4942ccの)V型12気筒に改められた。最高出力は345psを発揮する。出品車はこれに5速MTを組み合わせた魅力的な仕様だ。グリジオ・フェラーリのボディカラーと巧みにマッチするクレマ・クロスのインテリアはじつにシックな装いで、ドアガードにはクレマ・ハイド、ダッシュボード、MOMO製のステアリングホイール、センターコンソールなどにはネロ・ハイドのアクセント・カラーが添えられている。エアコン、パワーシート、パワーウインドウ、ヒーター付きのリアスクリーンなどの追加装備も見逃せないところだ。
1985年7月にマラネロの本社工場で完成した412のデリバリー先は、インダストリエ・ピニンファリーナ。そう412のデザインを担当したあのピニンファリーナにほかならなかった。
車両にはフルサイズのスペアタイヤ、ツールキット、登録書類、オーナーズマニュアル、サービスブックレットが付属しており、素晴らしいコレクションの1台となることは間違いないだろう。RMサザビーズが設定したエスティメート(予想落札価格)は8万〜10万ユーロ(邦貨換算約1281万円〜約1602万円)。実際のオークションでもこの412は人気を呼び、最終的な落札価格はそのレンジを上回る12万750ユーロ(邦貨換算約1934万円)での落札となった。そのリザルトは、この412に続くフェラーリの2+2GTモデルにも大きな影響を与えそうだ。


























































