メキシコ料理のフードトラックは超・大胆カスタム
この日の宿はフリーウェイのジャンクションに近い安モーテルだ。屋外プールは、例によって「工事中」。
「この辺に夕食を食べられるところはありますか」
「2ブロック行くとマックがあるよ」
「マックか……。ファストフード以外はないの」
「ないね。ダウンタウンに行けばいいじゃないか」
「あんな人混みに戻りたくないよ」
「まあ、そうかもね(笑)」
翌朝の出発は早いので最寄りのスタンドにガソリンを入れにいくと、すぐ横にフードトラックが出ていた。しかも、ぼくの大好物のメキシカンだ。これはいい! さっそく注文すると、10分くらい待ってくれという。ほかにすることがないのでトラックを見物すると、助手席からズドーンとエアコンのファンが飛び出している。もう二度と走ることはないのだろうが、それにしても大胆な改造だ。
モーテルに戻ってシャワーを浴び、夕食を食べながらメールチェック。と、思わず「え!」と叫んでしまった。翌日のツアーを予約しているメーカーズ・マーク醸造所からのリマインドメールだ。
そこにはこう書かれていた。「醸造所は東海岸時間ですから、間違えないでください」。つまり、セントラル時間のナッシュビルとは1時間の時差があることになる。地図を確認すると、たしかにほんの少しだけタイムゾーンの境界線の東にある。
ツアーは混んでいて9時40分の回しか取れなかった。4時間はかかるから5時半出発と考えていたが、4時半出発に変更だ。メキシカンをビールで流し込んで、早く寝ることにした。
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このミシシッピの旅で筆者が取材した内容を1冊にまとめた本が2025年3月13日に発売となった。アメリカンミュージックのレジェンドたちの逸話とともに各地を紹介しているフォトエッセイ、興味のある方はぜひチェックを。
>>>『アメリカ・ミシシッピリバー 音楽の源流を辿る旅』(産業編集センター)
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