隠れた空力デザインが性能を決定づける
アンダーボディには、樹枝状に配置された3対のフィンによるボルテックスジェネレーターがあり、リアの空力荷重を高めている。ディフューザーもウラカンEVO比で表面積が70%増加し、角度も4度増すことで下部からの空気の垂直抽出を最大化している。また新しいターボハイブリッドパワートレインによって冷却需要が増したため、ラジエーターのレイアウトも刷新され、冷却性能は30%向上している。
ブレーキ冷却も新たに開発され、ウラカンEVOと比較してディスクの冷却性能は20%、キャリパーは50%向上している。リアセクションには、レヴエルトで実証されたソリューションが採用されている。リアディスクの通風チャネルは、リアホイールハウジング前部に配置されたNACAダクトによって供給され、アンダーボディの高エネルギー流をブレーキ冷却ダクトへと導いている。
AMWノミカタ
スポーツカーにとって空気をコントロールすることは速く走るために最も重要な要素のひとつである。時速100km/hで走るクルマの空気抵抗は、303Nmで約30kgの物体を押す力に相当し、200km/hでは4倍の1213Nmまで増大する。テメラリオの最高速度である340km/hでは3497Nmとなり、おおよそ350kgの物体を押す力がクルマへの抵抗となる。
テメラリオを速く走らせるためには、空力の研究と空気抵抗を押しのける最高出力920psの強力なパワーが必要だということがわかる。また、時速340km/hというスピードはエアバスのような大型飛行機の離陸スピードを超える。大きな揚力を抑え、4輪を確実に接地させるための強力な抵抗となるダウンフォースも生み出さなくてはならない。

今回のテメラリオはウラカンEVOに比べ、リアダウンフォースで103%、ラジエターで30%、ブレーキディスクで20%、キャリパーで50%の冷却性能が向上した。顧客が限界走行をするか、そしてこの数値を個別に体感できるかは別として、テメラリオがこれほどまでに空気と真剣に向き合い、さまざまな工夫を凝らしていることを知ることは顧客にとって大きな安心材料になるのではないだろうか。












































