驚くほどのコンディションをキープ
過去にAUTO MESSE WEBで取り扱ったスズキ「エリオ」とヒュンダイ「エクセル」を紹介した東京・町田市にあるスウィンギンモータース。今回もまさに珍車百景という言葉がふさわしいいすゞ「エルフ 150 1.25トン」を紹介します。
趣味車としても使える長くて低い荷台
名車、珍車の販売を得意としているスウィンギンモータースが第16回ノスタルジック2デイズ2025に展示したのは2代目いすゞ エルフ。なんとガソリンエンジンの低床一方開きという昭和の激レアトラックであった。
このクルマのポイントは、なんといってもガソリンエンジンだ。驚くことにベレットなどと同じパワーユニットとなるG161型1.6L水冷直列4気筒SOHCエンジンを搭載。トラックとは思えぬ走りを披露するのだ。
低床一方開きである点も特徴となるが、荷台が275cmと長く、大型バイクのトランポとして活用できる。低床であることを活かし、ロングボードやカヌーも積みやすい。そのため、いすゞ エルフ 150 1.25トンは、さまざまなシーンで活躍してくれるだろう。
スウィンギンモータースの代表によると、2代目いすゞ エルフの顔(丸型2灯式ヘッドライト)が好きなので隠し持って寝かせていたそうで、本当は自分で乗りたいとか。
「低床一方開きということでリアのボディサイドがあおり形状ではないので、鉄板のリアフェンダーがあるんですよ。走行フィーリングだけでなく、そこも乗用車っぽいところですね。このクルマは本当に状態がよく、荷台も腐っていない奇跡のサバイバー。エンジンが軽快なので、走っていて気持ちがいいです。ラジエータはオーバーホールしました。内装のコンディションもいいです。ビニールレザーのシートも旧車っぽいディテールだといえます。デザインコンシャスなメーターまわりも、いすゞのトラックならではの特徴ですね。メーター上の走行距離は4万3000km弱で、コンディションのよさから考えると実走行だと思います。3人乗りのコラム4速です。車高が高く見晴らしがいいんですよね。誰も乗っていないクルマでドライブしているという歓びがあります」
そう話してくれた代表は、ひそかに新品のフロントウインカーレンズやテールランプを持っているとのこと。じつはカギが当時モノであることも教えてくれた。そのことからも「本当は売りたくないのだろうな……」と感じ取れた1台だった。