ヴィヴィオRX-Rでデイラリーに挑む
行き当たりばったりですが参加者リストの気になる車種を無作為にセレクトしてみました。まずはヴィヴィオのクルー芳賀昇二さん/三原将純さん。
「デイラリーは何のクルマでも出られる点がいいですね」
とヴィヴィオRX-Rで参加している芳賀昇二さんは70歳代、モータースポーツにのめり込んでいた時期は30年以上も遡る大ベテランです。モータースポーツデビュー時に購入し、カスタマイズしたヴィヴィオRX-Rを当時のままで、がまツアー参戦車として使用しています。
「ヴィヴィオが発売されるとすぐに飛びつき購入しました。当時はダートラに参戦する競技車として足まわり、ボディ補強、徹底して作り上げました。ラリー参加車ではなかったのです。その後仕事や歳相応の体力状況もあり、十年以上前に競技からはリタイアし観戦の方に回っていました。2024年にひょんなことからデイラリーに引き込まれ、いやいやながらも出てみただけなんですよ」
と参戦意欲に対しての謙遜。歴史に残る強烈な個性の軽自動車ヴィヴィオで乗り込んできたぞというようなものは微塵も感じられません。
「走りたいことは走りたいので、気楽にできるデイラリーってのはどうなのかな?」と思って15年近く仕舞い込んでいたというヴィヴィオを引っ張り出してきました。とはいえ2024年シリーズ5戦中4戦に繰り出していることをみれば、なにかに魅かれたに違いありません」
ロールバーもバケットシートも備えているヴィヴィオですが、芳賀さんにとっては、ごく自然に普段乗りの愛車として馴染みきってもいます。スキー好きという芳賀さんにとってはスキースペシャルカーであるのだとも。
「スキーにはよくヴィヴィオで行ってます。ヴィヴィオは力があり、登りが楽ですよ。狭い山道を登っていくときは気持ちいいですね」
低速トルクもあるスーパーチャージャー搭載ヴィヴィオの底力を、それとなく駆使する境地にいたっているベテランドライバーには、デイラリー参加への満足感がそこはかとなく漂っておりました。
デイラリーで得た充実感
芳賀さんとタッグを組むコドライバーの三原さんは、ダートラやラリーでのドライバー歴はあるもののコドライバーとしてのスキルはほぼ皆無だったとのこと。そこで今シーズンの体制に備え、2024年の関東シリーズ最終戦に芳賀さんと組んで参戦していたコドライバーの方がドライバーとなって、三原さんはコドライバーとしてデイラリーに参戦。実戦を通してスキルを教えてもらったといいます。
「ナビゲーターとしてシゴイてもらいました。今回は私にとって2戦目なんですけど、ひとりでさっと出るダートラよりもなにか充実したものがデイラリーにはあります」
その成果が、なんとクラス優勝を遂げることになりました。友は友を呼び、ドライバーやコドライバーの役割にも気兼ねなくトライできるデイラリーは、ラリー競技の基本を実戦を通して学ぶに絶好の場であるというエピソードでした。

遠方からの参戦者も続々
パープルラリーがまツアーが組み込まれている関東デイラリーシリーズは関東地域で開催されるシリーズではありますが、エントリー受付の門戸は全国に開かれています。魅力あるイベントであることを象徴するかように、今回は遠くは岩手県、岡山県から参加者したクルーが2組もおりました。
その1組の金野廣宣さんは、
「7〜8時間の移動時間をかけて岩手から来ました。もちろん帰りもそのくらいかかります」
と、戦い終えたクルーたちが和んでいる表彰式の席上から参加したジムニーで帰路につく感慨を述べ、笑いと共感を誘ってました。ツアー、デイラリー、興味ある方もこのところ増え、ひとりふたりが4人8人……。ラリーというモータースポーツを実体験するには最も近しい競技であろうデイラリー、オフィシャルサイトからも気兼ねなくチェックできますので、気になる方はぜひ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)









































