筆者の初スティントは当初の予定から14時間後
デフを載せ替えた直後のスティントは当初の順番では筆者だった。しかし、交換したデフのチェックも兼ねてレギュラードライバーの丹羽選手が担当することになった。その後も濃霧によるSCや赤旗中断などでスティントの予定が何度も入れ替わったので、筆者が乗るタイミングも何度も変更された。乗る時間になってもまだ乗れない……ということが何度もあり、いつ気を休めていいのかわからず、乗る前に疲れてしまったというのが本音だ。
ただ、結局、当初の予定であった5月31日19時30分から14時間ほど経過した、翌朝6月1日9時から1時間ほどドライブすることになった。当初は90分弱のスティントが2回の予定だったが、これも耐久レースのひとつの洗礼だろう。
時間になりマシンに乗り込んだのだが、今度はハブトラブルによって数分のストップ。しかし、チームが迅速にトラブル対応をして、無事にコースインすることができた。自身のスティントでは順位争いなどのバトルはなかったが、安定して速くクルマを運ぶことに専念した。レースは後半に入ってきており、路面にはタイヤカスも多く散乱している。レコードラインを外すとすぐにタイヤにそのカスが付着して振動が出る。いかにタイヤカスを拾わずに、後ろから来る速いクラスのマシンにロスなく抜いてもらうかがポイントだ。
ちなみに、この速いマシンに追い抜いてもらうのが非常に難しい。というのは、左右のコーナーが連続するようなセクターでは、追いつかれたときはコーナーアウト側を走っていても、次のコーナーではイン側になってしまうからだ。速い後続車との距離や追いつかれたタイミングで、コースのイン側に留まるか、それともアウト側に移動するかの判断が必要となる。速度差は大きいが、むしろメインストレートなどの直線で抜かれる方が気分的には楽だった。
実際にチームとして参加した人でなければわからない達成感
こうして自身のスティントは無事に終了した。というか正直スティント中のことは細かく覚えていない。自分のステントが始まるまで何度も緊張を高めては緩めての繰り返しだったので、なにより無事に終われて安堵したことだけを覚えている。
そして迎えた15時のチェッカーを受けた後のマシンが戻ってきたときは、表現のしようがない高揚感と達成感に満たされていた。上位でゴールしたら、その感覚はもっと大きいと思うが、今回のようなトラブルのなかでの完走は、また違った特別な高揚感と達成感があったと思う。あの感覚は実際にチームとして参加した人でなければわからないだろう。
初のスーパー耐久参戦。そして24時間のレースを無事に終えることができたこと、ご一緒したチームOVER DRIVEの皆さんを始め、関係者に感謝しかない。本当にありがとうございました。より速く安定したドライバーへと成長し、2026年も機会があれば24時間レースにチャレンジしたいと思います!











































