イタリアのクラブマンレーサーが長期所有
今回出品されたのは、RMサザビーズによれば1974年1月にドイツ・シュトゥットガルトで新車デリバリーされた個体。ボディカラーのグランプリホワイト、ゴールド仕上げのカレラ・ストライプなどはすべてオリジナルのままだという。
1975年には、セカンドオーナーとなるイタリアのクラブマン・レーサー、アントニノ・グアリアルド氏が所有。彼は同年7月の「タルガ・フローリオ」にこの車両で参戦した記録も残されている。惜しくも完走は果たせなかったが、彼がこの911の性能に惚れ込んでいたことは想像に難くない。
コレクション経歴も申し分なし、だが落札には至らず
グアリアルド氏が30年にわたって所有したこの911は、その後フランスやベルギーを経て、2015年にはRMサザビーズの「ザ・シュトゥットガルト・レジェンド・コレクション」の所有となった。2025年2月には、ポルシェ専門家アンディ・プリル氏による検査を受け、シャシーナンバーとエンジンナンバーが一致することも確認されている。
RMサザビーズはこの911に対し、100万~150万ユーロ(邦貨換算約1億6245万~2億4365万円)の予想落札価格を提示し、注目の出品車として扱っていた。
しかし、今回のミラノ・オークションでは最低落札価格に届かず、不成立に終わった。ちなみに、同じ911カレラRS 3.0は2024年、アメリカ・モントレーのオークションにおいて239万ユーロ(邦貨換算約3億4700万円)で落札された記録もあるだけに、今回の結果を意外と感じたエンスージアストやオークション・ウォッチャーも少なくないだろう。
今後、再出品の可能性も含め、その動向に注目したい1台である。















































































































