世界の公道を走れるが本領はサーキットでないと発揮できないスパルタンマシン
スウェーデンのハイパーカーメーカー、ケーニグセグは新型モデル「Sadair’s Spear(以下サダイアーズ・スピア)」を正式発表しました。世界各国で公道走行が可能な完全ホモロゲーションモデルでありながら、サーキットで圧倒的なパフォーマンスを実現する1台です。最大出力1625ps(E85燃料使用時)を誇るV8ツインターボエンジン、革新的な空力性能、そして独自のライト・スピード・トランスミッションを搭載しています。生産台数はわずか30台で、すでに全車完売とのことです。
圧倒的なダウンフォースを生み出す空力パーツを纏う
徹底したサーキット志向で設計された同モデルは、まず外観からして従来のケーニグセグモデルとは一線を画すアグレッシブな造形が特徴だ。もっとも目を引くのは、トップマウント型のダブルブレード・アクティブリアウイングである。このウイングは車体後部に強力なダウンフォースを生み出し、高速域でのコーナリング性能を飛躍的に向上させる。リアのデザインは空力効率と安定性を重視して延長され、美しさも損なわれていない。
フロントには大型カナード、ワイドルーバー、そして新たにフラップ付きのフードベントが配置されている。これらは、冷却効率の向上と前方のダウンフォースの増大に貢献しており、リアとのバランスを取る空力デバイス群だ。さらに、ホイールアーチ上部のルーバーはリフトを抑制する。
ケーニグセグのCFD(数値流体力学)チームは空力デバイスの配置や形状を緻密に解析し、空気の流れを最大限に活かす設計を施している。フロントのTriplexダンパーとアクティブライドハイト制御システムが連携し、空力パッケージの性能を最大限に引き出す足まわりのシステムも特徴だ。
パワートレインはケーニグセグ製のV8ツインターボエンジンをベースに、さらにチューニングを施している。エアインテークは吸気効率を向上させ、通常のガソリンで+20ps、E85バイオエタノールでは+25psの出力向上を実現する。これで最終出力は通常燃料で1300ps、E85使用時で1625psという驚異的なスペックを表示する。
また、オイル冷却性能も強化され、過酷なサーキット走行時でも熱ダレを抑える設計が施されている。高温下でのエンジン安定性を維持するこの改良は、純粋な出力数値以上に重要な意味を持つ。
加えて、ケーニグセグが独自開発したライト・スピード・トランスミッション(LST)は、フライホイールもクラッチも持たず、驚異的な応答性を実現している。4万6000rpm/sという俊敏な回転数は、市販車としては類を見ないスペックであり、ドライバーは常に最高のタイミングでシフトチェンジができる。




























































