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高速道路の“トラックマーク”車線は専用レーンではない!あえて普通車で通行するメリットもある

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: AMW/Photo AC

  • 急ぐ旅ではなく、比較的のんびりと一定の速度をキープしながら走り続けたいならば、乗用車や軽自動車でも積極的に第一通行レーンを走るのは良い選択だ
  • 車線は速度によって選ぶことにより渋滞を回避することもできる。追い越しが終わったら速やかに走行車線に戻る
  • 後ろからより速いクルマが近づいてきたら、第一か第二通行レーンに戻る。追越車線を走り続けるのは通行帯違反の取締対象になる
  • 高速道路の車線は速度によって選ぶもの
  • 高速道路の車線は速度によって選ぶもの
  • トラックマークは「特定の種類の車両の走行区分」を示す標識であり、この表示がある区間では、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車は左から1番目の車両通行帯を通行しなければならない

大型貨物などは高速道路のトラックマーク車線を走行しなければならない

秋の行楽シーズンは、高速道路での長距離ドライブが増える時期です。走行中に「トラックマーク」の車線表示を「トラック専用レーン?」と疑問に思ったことはありませんか。じつはこの表示は、大型貨物車などの通行を指示する標識で、普通車やバイクが走ってもまったく問題ありません。むしろ一定速度で走る大型車の後ろは、疲れにくく燃費も良くなるなどメリットも多く、賢い車線選びが快適なドライブにつながります。

第一通行レーンを走行するトラックは速度が一定で走りやすい

トラックマークは「特定の種類の車両の走行区分」を示す標識であり、この表示がある区間では、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車は左から1番目の車両通行帯(第一通行レーン)を通行しなければならない(追越しなどで一時的に第二通行帯を走ることは可能である)。

つまりトラック専用レーンではないため、この標識のある高速道路の第一通行レーンを普通車や軽自動車、オートバイなどが走っても、まったく問題はない。

2024年4月1日から、中大型トラックの高速道路での最高速度が従来の80km/hから90km/hに引き上げられた。そのため、以前より第一通行レーンのペースも若干早くなり、走りやすくなっているはずだ。

急ぐ旅ではなく、比較的のんびりと一定の速度をキープしながら走り続けたいならば、乗用車や軽自動車でも積極的に第一通行レーンを走るのは良い選択である。長距離ドライブのプロであるトラックの運転手は、ペース(巡航速度)のばらつきが少なく、無駄な加減速もしないため、等間隔でついていくと疲労度が少ないことが多い。

また、十分な車間距離をとっていても、大型車は車体が大きいため、その後ろを走ると空気抵抗が低減され、燃費も良くなる。

トレーラーの制限速度は80km/hとトラックより10km/h遅い

ただし、トレーラーは高速道路の車線数にかかわらず、キープレフトの義務がある。つまり、常時第一通行帯を通行する必要があり、なおかつ制限速度は80km/hのままであるため、トレーラーに追いつくとペースダウンを強いられることもある。

ちなみに警察庁の資料によると、速度規制の引き上げ前から、高速道路での大型トラックの実勢速度は87km/h、大型トレーラーの実勢速度は84km/hであった。2024年4月以降も、大型トラックの速度リミッターは90km/hのままであるため、第一通行レーンの流れにそれほど大きな変化はないかもしれない。

いずれにせよ、車線は速度によって選ぶものだ。乗用車でも80km/h~90km/hのペースで走りたければ第一通行レーン、もう少し速いペースで走りたければ第二通行レーンを選べばよい。そして、後ろからより速いクルマが近づいてきたら、第一通行レーンに戻るのが、高速道路のスマートな走り方といえるだろう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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