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過去最大の24チームが参戦した「東北660耐久レース」第2戦!クリーンな展開で赤旗中断なし

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • スズキ アルト:総合優勝および3クラス優勝の382号車DUMC ブライダル アルト
  • スズキ アルト:3クラス準優勝の31号車GG アルト AGS
  • ダイハツ エッセ:4クラス優勝の112号車ARYレーシング タカムクキッチン
  • アップダウンが激しく峠道のようなリンクサーキット。しかし危険なポイントは少なくビギナーの練習にはもってこいのコースといえる
  • ピット上の観覧席からは、最終コーナーを除き全体が見渡せるのもリンクサーキットの魅力だ
  • 東北660シリーズのセカンドラジアルとして使える、ヴァリノタイヤの「VR08GPスポーツ」を展示。総合優勝の382#DUMC ブライダル アルトもこのタイヤを履いていた
  • 火器の使用が認められたエリアでは、BBQや流しそうめんを楽しむチームも多かった
  • 2クラスの表彰式
  • 3クラスの表彰式
  • 4クラスの表彰式
  • 学生クラスの表彰式
  • 表彰式の後にはジャンケン大会。イチバンの目玉はヴァリノタイヤ「VR08GPスポーツ」だ
  • ダイハツ エッセ:学生クラス優勝の385号車IUAC LOCK-TIGHT ディクセル エッセ
  • スズキ アルト:学生クラス準優勝の103号車APUMSC
  • ダイハツ ミラ:学生クラス3位の957号車AUAC 先輩の置き土産ミラ
  • 決勝はローリングスタート。先導車が抜けると24台が1コーナーに向けて飛び込んでいく
  • ダイハツ ミラ:3クラス3位の30号車おちんぎん大好き RCG
  • スズキ アルトワークス:2クラス優勝の216号車HMJM

参加車両の過半数を改造範囲の狭い3クラスで総合優勝争奪戦

2025年7月20日、福島県のリンクサーキットで「東北660耐久レース」第2戦が開催されました。今回はシリーズ最長となる5時間耐久レースに過去最多の24チームが参戦。学生チームからベテラン勢まで幅広い顔ぶれがそろい熱いバトルを繰り広げました。見事、総合優勝に輝いたのは3クラスのDUMCブライダル アルト。赤旗なしでゴールを迎えられるほどクリーンで白熱したレース展開となり、チーム力と戦略が問われる耐久戦の面白さが際立っていました。

レースが中断されるような大きなクラッシュはなく終了した5時間耐久

今回は過去最多の24チームがエントリーし、その過半数が改造範囲が大きく制限され、製作コストが安く済む3クラスに集中した。さらに東北660選手権の3クラスにも、そのままの仕様で出場できることが人気の理由だろう。

予選で総合トップを獲得したのは、今回がデビュー戦となる4クラスの112号車ARYレーシング タカムクキッチンのエッセである。ドライバー陣は東北660シリーズのベテラン揃いで、シリーズチャンピオン経験者もいるドリームチームだ。総合2番手には、最大の激戦区である3クラスでトップの829号車チーム関東 ARYが入った。3番手は3クラスで若手のホープが集う382号車DUMC ブライダル アルト、4番手は4クラスで初参加の56号車コバヤシR&Dエッセというオーダーとなった。唯一の2クラスである216号車HMJMは、リンクサーキットが初めてのためかタイムが伸びず、総合10番手という中盤グループからのスタートとなった。なお、学生クラスでは680号車NUMC wiz おニューアルトが予選トップである。

決勝はスタート直後に多少の混乱こそあったものの、全損になるような大きなクラッシュは最後までなく、リタイアはすべて駆動系などの車両トラブルが原因だ。コース幅の狭いリンクサーキットは、セーフティカーを入れての回収に手間を要する。そのため、通常のレースと同じ黄旗ではなく、赤旗を提示してレースを一時的に中断して回収するという独自のレギュレーションを設けている。そのため赤旗や中断が多いように感じてしまうが、この耐久レースは赤旗が1度も出ないまま5時間を終えることができた。

決勝は総合および3クラスの優勝が382号車DUMC ブライダル アルトで237周を記録した。準優勝も3クラスの31号車GG アルト AGSで236周と、わずか1ラップ差であった。さらに3位の30号車おちんぎん大好き RCG、4位の22号車SDGsと3クラス勢が上位を独占する結果となった。

予選トップだった4クラスの112号車ARYレーシング タカムクキッチンは、序盤の接触で修復に時間を要した。決勝ではNAでぶっち切りの最速タイムとなる1分5秒台を連発して猛追したものの、わずかに届かなかった。しかし、4クラスでは56号車コバヤシR&Dエッセとの同一ラップのバトルを制し、デビュー戦にしてクラス優勝を遂げた。これはポテンシャルの片鱗を大いに知らしめた結果だ。

ターボのアルトワークスを持ち込んだ2クラスの216号車HMJMは、決勝のファステストラップを叩き出した。しかし燃費はNA車に及ぶはずもなく、給油回数の多さが災いし、無念の16位フィニッシュとなった。

学生クラスにも大きな波乱があった。予選でクラス1位だった680号車NUMC wiz おニューアルトが、トラブルで終盤に戦線離脱したのである。代わって225周で優勝を飾ったのは385号車IUAC LOCK-TIGHT ディクセル エッセだ。680号車NUMC wiz おニューアルトは、東北660選手権の3クラスでランキング首位の高岡威を擁し、決勝中のラップタイムも1分6秒台で順調に周回を重ねていただけに、悔しさもひとしおだと思われる。

1年を締めくくる東北660耐久レースの最終戦は、11月23日にエビスサーキットの西コースで開催される。シリーズチャンピオンを懸けた、熱くクリーンなバトルを期待したい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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