クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • SPORT
  • 女性だけのレースは“話題作り”ではない!KYOJO CUPの現場で見た真の意味【Key’s note】
SPORT
share:

女性だけのレースは“話題作り”ではない!KYOJO CUPの現場で見た真の意味【Key’s note】

投稿日:

TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

プロを目指す女性が挑戦できる機会を与えるための「トライアウト」

そんなKYOJO CUPが、2026年に向けて新たな一歩を踏み出しました。それが、昨年末に行われた「トライアウト」です。トライアウトといえば、戦力外通告を受けた選手に再挑戦の場を与えるプロ野球の制度を思い浮かべる人も多いでしょう。しかしKYOJOのそれはまったく違います。むしろ、これからプロを目指したい女性に、門戸を開くための仕組みなのです。レーシングドライバーとしての経験がほとんどない人にも、才能があれば道が開かれる。そんな夢のある試みでした。

実際、このトライアウトには世界中から注目すべきドライバーが集まりました。すでにF1チームのアカデミーで鍛えられている選手もいれば、海外で武者修行中の若手もいる。そのなかには、まだ14歳の少女まで含まれていました。総勢11名の女性ドライバーが、富士スピードウェイのショートコースに集結したのです。

同一マシンで見えた才能の輪郭!将来の扉が開かれる

用意されたマシンは、もちろんKYOJO仕様のフォーミュラカー。事務局が準備した同一の車両をドライブし、ラップタイムだけでなく、走りの質、安定感、フィードバック能力(マシンの状態を正確に伝える力)、そして人間性まで含めて評価されました。将来、チームやスポンサーを背負う存在になれるかどうか。そうした視点も含めて、総合的に見られていたのです。

とくに印象的だったのが、14歳のドライバーでした。彼女はまだ運転免許すら持っておらず、当然クラッチ操作も完全ではありません。スタートではエンストを繰り返し、ぎこちない動きが目立ちました。しかし、周回を重ねるごとに彼女は驚くほどのスピードで順応していきます。ラインが整い、ブレーキが安定し、ラップタイムは見る見るうちに縮まっていきました。その姿は、まさに才能の芽がいま開こうとしている瞬間を見ているかのようでした。

トライアウトには多くのモータースポーツ関係者が訪れていました。どのドライバーに将来性があるのか、誰と組むべきか。その静かな駆け引きが、ピットの裏側で始まっていたのです。最終的に何人が2026年のKYOJO CUPのシートを手にするのかはまだわかりませんが、数名がプロへの扉を開くことになるのは間違いないでしょう。

KYOJO CUPは、いま確実に存在感を高めています。そしてこのトライアウトによって、その未来はさらに広がりました。ここから育ったドライバーたちが、どんな成長を見せ、どこまで羽ばたいていくのか。それを見届けること自体が、モータースポーツファンにとって新しい楽しみになりつつあります。2026年、日本のレース界は、女性たちの加速とともに、確実に新しい時代へ踏み出しているのです。

12
すべて表示
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS